誕生日でも内容が…藤浪 プロ初三塁打&開幕3連勝も「役割果たせてない」

[ 2016年4月13日 07:40 ]

<神・D>5回無死、藤浪は右中間を破る三塁打を放ち激走する

セ・リーグ 阪神4―3DeNA

(4月12日 甲子園)
 浮かない表情だった。マウンドを降りる時も、試合後にファンにあいさつをする時も。22歳のバースデー登板で無傷の3連勝を挙げた阪神・藤浪だ。チームを背負う責任を感じるからこそ、反省ばかり口をついた。

 「先発として役割を果たせていない。いい投球とは言い難い」

 初回は制球を乱し、33球を投げて1点を失った。2回以降6回までは無安打。直球が不安定だったため「梅野さんと話して緩急、縦の変化を使った」という。しかし、4―1の7回に代打・下園に2点適時打を許した。124球を費やし、今季自己最短の6回1/3で降板。「7、8回は投げないといけない試合だった。悔しい」。味方の失策も絡んだが、勝負どころでフォークが浮いた。

 先頭打者で迎えた5回の打席では右中間へプロ初の三塁打。自ら4点目のホームを踏んだ。金本監督は5人のリリーフ陣を繰り出し、ベンチ入りの野手全員を使い切る執念采配。チームの連敗を2で止め「納得いっていないと思うが、彼が3点以内に抑えて勝ったことには間違いない」と右腕をねぎらった。

 スタンドでは母・明美さん(51)が祈るように手を合わせて声援を送った。プロ入り後も必ず誕生日プレゼントを贈っており、今年は「これやったら着てくれるかな」と大阪市内の百貨店でインポートブランドのTシャツを購入。日本製はサイズが大きくなるほど横幅も広がり、1メートル97、89キロとモデル体形の藤浪にフィットしないため「(輸入ものは)XLでも(着丈が)長め」と値の張る高級品を選んだ。

 前日の深夜には日付が変わって間もなく明美さんからLINE(無料通信アプリ)で「おめでとう」とメッセージが届き、藤浪は「ありがとう、頑張るわ」と返した。満足できない内容ながらも誕生日を初めて勝利で飾りチームは9日以来の首位返り咲き。「チームに借りができた。来週以降、自分の力で勝てるようにしたい」。記念日に刻まれた悔しさを糧に、また大きくなる。

 ▼お笑いコンビ・ナインティナイン岡村隆史(プライベートで観戦)あまり来ることはないんですけど大阪で番組をやることになりまして、ちょこちょこ来るようになったので。

 ≪右打ちでは藪以来17年ぶり≫藤浪(神)が開幕から3戦3勝。阪神でシーズン初登板から3戦3勝以上は、08年に下柳が4戦4勝、アッチソンが3戦3勝をマークして以来8年ぶりだ。また、打っては自身初の三塁打。阪神投手の三塁打は昨年5月5日中日戦の岩田以来だが、右打ちの投手では99年5月18日広島戦の藪以来17年ぶり。

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