ヤクルト山田 同僚川端抜き首位打者浮上!本塁打&盗塁の3冠

[ 2015年7月30日 05:46 ]

<ヤ・広>7回1死、左越えにソロ本塁打を放ち、ベンチの祝福を受ける山田

セ・リーグ ヤクルト8-3広島

(7月29日 神宮)
 ヤクルトファンに本塁打の余韻に浸る時間を与えない。7回1死、川端が右越え6号ソロを放った次の瞬間、山田のバットが快音を発した。左翼席へ2者連続の24号本塁打。同僚・畠山に5本差をつけてリーグトップを独走する一撃がこの試合の3安打目で、打率を・334に伸ばした。8回の最終打席凡退で・333に下げた川端を抜き、打率もセ1位に立った。

 「まだ何試合もあるし、今1位なだけ。気にしていません」とサラリと言ってのけたが、勢いは加速するばかり。打つだけではない。トリプルスリー(3割、30発、30盗塁)への道のりを、着々と進んでいる。初回2死から右前打で出塁すると、続く畠山の初球に二盗を決めた。リーグ単独トップとした19個目の盗塁。日々の練習から、スタートの意識、構えに重点を置く。「行く気がなくても、行く構えを見せること。そうすれば打者も直球が多くなって打ちやすくなったりする」。勝利のための行動だ。

 暑い夏は「嫌い」と公言するが、昨年は8月の月間MVPを受賞。今季も二人三脚で早出のティー打撃に取り組む杉村打撃コーチは「昨年夏場に結果が出たことで、自信がついたのではないか」と証言する。今年も20日から始まった後半戦8試合は打率・600、5本塁打、13打点と手が付けられず、7月の月間MVP受賞は確実だ。同コーチは「恐るべき23歳。研究されているが、それを乗り越えていく頭の良さもある」と称えた。

 マルチ安打をマークしながら、打率1位から陥落した川端は言う。「あいつの打撃はハンパじゃない。(タイトルを)全部持っていっちゃうんじゃないですか」。連続試合安打を14に伸ばした大引も「7月の月間MVPは諦めました。哲人がいるから」と言うほど。同僚も驚がくの存在感だ。

 11失点で大敗した前夜の悪い流れを一夜で断ち切り、阪神と並ぶ首位をキープ。「チームのために、という意識は昨年よりあります。チームが勝つとうれしい。優勝したい」と山田。個人成績には無関心を装っても、このときばかりは語気が強まった。 (町田 利衣)

 ≪打率リーグトップ≫山田(ヤ)が本塁打を含む3安打。今季10度目、通算40度目の猛打賞で今季初めて打率リーグトップに立った。7月は75打数34安打の打率・453、本塁打は自身初の月間2桁となる10本。今季チームは神宮で27勝13敗と勝ち越し。山田は本拠地で156打数62安打の打率・397、15本塁打と勝利に貢献している。

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