明徳義塾、逆転切符!馬淵節「早実とやりたい。清宮?敬遠はせんで」

[ 2015年7月30日 05:55 ]

<高知・明徳義塾>6年連続の甲子園出場を決め喜ぶ明徳義塾ナイン

第97回全国高校野球選手権高知大会決勝 明徳義塾7―6高知

(7月29日 県営春野)
 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は29日、4大会で決勝が行われた。5年連続で同じカードとなった高知は、明徳義塾が高知に7―6で逆転勝ちし、6年連続17度目の夏の甲子園出場を決めた。

 これが明徳義塾の底力だ。5―0とリードした8回にエース飛田がまさかの6失点で逆転を許す。迎えた9回2死一、二塁。馬淵史郎監督は、背番号20の2年生・西村を代打で起用した。今大会初めての打席だった。

 1メートル69の小柄な西村が4球目の直球を振り抜くと、打球は右中間を破る。「とにかく後ろにつなぎたかった。気が付いたら三塁に立っていました。頭が真っ白で球種もコースも覚えていません」。起死回生の逆転三塁打。百戦錬磨の指揮官も思わずベンチで万歳した。

 後がない場面で、西村を代打に起用したのには理由があった。この日朝、学校での打撃練習でいい当たりが出ていたためで「きょう、代打の一番手で行くから準備しておけ」と早々に告げていた。昨秋の四国大会でベンチを外れた西村は11月から午前3時に起床し、毎朝500スイングをして、今大会に臨んでいた。8回に継投のタイミングを逃し、逆転を許しただけに「監督の失敗を選手が取り返してくれた。20番だけど、甲子園のメンバーには入れないとアカンな」と、早くも「甲子園手形」を渡した。

 6年連続出場。ここ5年は全て高知を1点差で退けた。またも伝統の勝負強さを発揮した馬淵監督は「勝ちたい気持ちがちょっとでも上だった」と激闘を振り返った。甲子園について話を向けられると、「早実とやりたい」とニヤリ。そして、こう続けた。「清宮?もう、敬遠はせんで」。92年夏の星稜・松井秀喜への「5打席連続敬遠」を引き合いに、馬淵節で笑わせた。(康本 園子)

 ◆明徳義塾(高知)部活動が盛んな私立校。ゴルフの松山英樹らを輩出。

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2015年7月30日のニュース