秋山 連続試合安打31で止まる 最後は四球選び「すがすがしい」

[ 2015年7月15日 05:30 ]

<西・楽>10回1死、四球を選ぶ秋山

パ・リーグ 西武5―2楽天

(7月14日 西武D)
 決勝のホームを踏むと、歓喜の輪に加わった。連続試合安打は歴代3位タイの「31」で止まった。それより何よりサヨナラ勝利がうれしい。お立ち台に立った西武・秋山は「自分が何でここに立っているか、分からないですけど。勝てて良かったです」と、すがすがしく笑った。

 無安打で迎えた延長10回の第5打席。抑えの高橋朋が9回に1点リードを守れず、本来なら回ってこなかった打席が巡ってきた。八戸大の先輩・青山との勝負は、フルカウントから外角球を見極めて四球。最後は中村の左越え26号3ランでホームを踏んだ。「自信を持って四球を選べた。チームのために仕事ができてすがすがしい。打ちたい気持ちはあったけど自分勝手な打席にはしたくなかった」。偽りのない本音だった。

 ヤンキース・田中、巨人・坂本らと同じ88年生まれ。いわゆる「88年会」だが、「僕の名前が出てくることはないんです」と言う地味な存在だった。それが一転、試合前練習では10台近くのテレビカメラに囲まれた。球団記録の23試合連続安打を超え、プロ5年目で味わう初めての経験に戸惑った。過去の偉大な打者たちと比べられ、数字の重圧に押しつぶされそうになった。「皆さんのおかげで凄く(連続試合安打を)意識させられました。ありがとうございました」と報道陣と一緒に笑った秋山。プロ野球記録「33」にあと2と迫った経験は貴重な財産になった。

 今季85試合で無安打はわずか10試合。10回の四球で連続試合出塁は38となった。「あしたの1打席目に、良い形で出塁するのが一番の目標」と新たに胸に誓った27歳。最後に「あしたからカメラがいなくなるので寂しくなりますね。自分勝手ですけど」とまた笑った。(神田 佑)

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2015年7月15日のニュース