【高校野球100年】「心はいつも県民と」興南10年春夏連覇

[ 2015年6月26日 11:02 ]

10年、東海大相模を破り興南が沖縄勢で初めて夏の甲子園を制し、春夏連覇を達成

 10年夏、興南が沖縄勢で初めて夏の甲子園を制し、春夏連覇を達成した。歴史的快挙に地元は熱狂。凱旋時の那覇空港には4000人が詰めかけ、拍手と指笛が鳴りやまなかった。

 当時の主将だった我如古(がねこ)盛次(立大―現東京ガス)は「アルプスでおじぃやおばぁ世代の人たちが泣いている映像を見て、優勝できて良かったと思った」としみじみ振り返る。大会中には終戦記念日の翌日の朝の散歩で、三塁コーチャーだった国吉将が「平和のおかげで野球ができることに感謝しよう」と話すなど、心はいつも県民とともにあった。

 「冬場は暖かいからセンバツは勝てるが、夏は暑くなって体も動き、内地(本州)のレベルが上がるため」というのが夏に優勝できない理由とされていたという。我喜屋優(がきや・まさる)監督はそれを覆そうと豪雨の中でも業務用の長靴と雨がっぱをつけて練習を続けた。我如古は「監督は本当にストイックでした。でも、毎日あの練習をしていたから絶対に負けないと思った」。

 エース島袋(現ソフトバンク)をはじめ、当時のメンバーは今も連絡を取り合い、年に一度は集まって思い出話に花を咲かせている。

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2015年6月26日のニュース