巨人　崖っ縁３連敗…試合後に選手ミーティング

＜巨・神＞まさかの３連敗に、ベンチから立ち上がれない巨人ナイン。手前は喜び合う呉昇桓（左）と鶴岡

セ・リーグＣＳファイナルＳ第３戦 巨人２－４阪神

（10月17日 東京Ｄ）
　崖っ縁に立たされた巨人・原監督はつとめて明るく言った。過去を嘆くことは無意味だ。原因を分析し、前を向いて戦い続けるしかない。

　「現実的にこういう数字になったというところはしっかり受け止めて、まだまだ勝負はこれからというところで戦っていきます」

　３戦目でようやく接戦に持ち込んだ。しかし７回。３番手の山口が崩れた。１死二、三塁から迎えたゴメスに３球連続で内角速球勝負。しかし、３球目が高めに浮いて左前に運ばれた。リーグ優勝決定後、時間を与えて調整を重ねてきたが、本来の球威は戻っていなかった。練習前にスタッフによって清めの塩がまかれたマウンドで左腕は唇をかんだ。「きょうは僕のせいで負けた。登板機会があれば悔しい気持ちをぶつけたい」と言った。

　投打とも問題点ははっきりしている。３試合で適時打は、この試合初回の阿部の中前打だけ。３戦連続で２得点以下だ。１番の長野、３番の坂本が３戦で計１安打ずつと低迷する。投手陣は３戦計１３失点のうち、クリーンアップに１１打点を許している。問題点を解消できなければ勝利はない。

　原監督は、中日に３連敗して迎えた１２年のＣＳファイナルＳ第４戦では「徳俵に足がかかった。本当の力を見せよう」と鼓舞。そこから奇跡の３連勝で、最終的には日本一になった。昨年の楽天との日本シリーズでは、王手をかけられた第６戦で「田中は２回目だから必ず打てる！まだ徳俵に乗った状態じゃない。ジャイアンツはここから強いんだ！」と伝え、無敗エースに黒星をつけた。

　試合後に開かれた選手ミーティング。主将の阿部は「徳俵に、崖っ縁に来たけど、思い切ってやるしかない」と伝えたという。相撲の徳俵とは一番力を出せる場所でもある。原監督、阿部、そしてチームがそのことを一番分かっている。

　▼巨人・亀井（３戦目で初の２番で３回に右越えソロ）腕をたたんでうまく打つことができた。みんな必死にやっている。何とか勝つしかない。

　▼巨人・井端（中日時代の１２年に巨人に３連勝後に３連敗を経験）このあとに１つ勝つのが難しいのはよく分かっている。まずはあす。

　▽巨人の１２年ＣＳファイナルＳ　中日に３連敗で王手をかけられたが、そこから３連勝で日本シリーズに進み、３年ぶりの日本一をつかんだ。後のない第４戦は先発・沢村が６回無失点と好投。第５戦は同点の９回１死満塁、谷に代わる「代打の代打」石井がサヨナラ左前適時打を放った。第６戦は寺内の２点先制打などで主導権を握り、中３日先発のホールトンが５回無失点。中１日で沢村を２番手起用し１回無失点と継投で逃げ切った。