ソフトB摂津 屈辱の初3被弾…天国のTENNさんに白星ささげられず

[ 2014年10月18日 05:30 ]

<ソ・日>2回、陽の打球についてビデオ判定へ向かう審判団とマウンドの奥で不安げな摂津(中央)

パ・リーグCSファイナルS第3戦 ソフトバンク4-12日本ハム

(10月17日 ヤフオクD)
 何度も天を仰いだ。1試合3被弾。ソフトバンク・摂津にとって、リーグ戦を含めて初の屈辱だった。日本シリーズを含めたポストシーズンでは本塁打を許したことがなかったエースは、2回7失点と背信の投球に「俺のせい。しっかり投げれば勝てた…」と言うのが精いっぱいだった。

 悲しみを胸に秘めてのマウンドだった。9月25日、訃報が届いた。親交の深いヒップホップグループ「ET―KING」のメンバー・TENNさん(享年35)が自殺。同グループの代表曲「ギフト」はかつての自身の登場曲だった。去年から別の曲を使っていたが、この日だけは「ギフト」に戻し、天国の友人に白星をささげるはずだった。同時に、CSファイナルSでの日本ハム戦は、リベンジの場ともなるはずだった。前回出場した2012年10月19日の対戦では、初回途中にベースカバーで右足首を痛め、無念の降板。チームも敗れ、日本シリーズ進出を逃した。その日以来のCSのマウンドだったが、止まったままの時計の針を動かすことはできなかった。

 日本ハムを上回る14安打を放ちながらの大敗に、秋山監督は「2回で3発は痛いよな。(投手陣が)3ラン3発とソロ1発か。その差が点差に出てくる」。2試合続けて、日本シリーズ進出に王手をかけ損なった。

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