中田 打球食らい「膝の感覚なかった」も気合の本塁送球

[ 2014年6月15日 05:30 ]

<ソ・D>8回、打球が当たった膝を苦悶の表情で押さえるソフトバンク・中田

交流戦 ソフトバンク4―2DeNA

(6月14日 ヤフオクD)
 ソフトバンク・中田賢一投手(32)が、14日のDeNA戦(ヤフオクドーム)で7回2/32失点(自責点0)。チーム単独トップの7勝目を挙げた。8回1死満塁では右膝に打球を受けながら根性で本塁へ送球して失点を阻止。DeNA戦は横浜時代の10年9月12日以来6連勝を飾った。15日には出場選手登録を一度抹消し、27日の西武戦(西武ドーム)のリーグ戦再開まで充電。首位オリックスを追走するべく、力をためる。

 歯を食いしばった。4点リードの8回1死満塁だった。中田は石川の打球をワンバウンドで右膝に食らった。だが、本能が勝った。素早く三塁前へ転がった打球をわしづかみにすると本塁で待つ細川へ送り、得点を防ぐ。そのまま倒れ込むと、激痛ですぐには起き上がれず、右膝を押さえた男は苦悶(くもん)の表情だ。交代を余儀なくされたほど、身をていしてつかんだ7勝目だった。

 「膝の感覚はありませんでした。目の前に転がったので、何とかアウトを取りたいと思った」

 7回2/36安打2失点(自責点0)。細川と公式戦初コンビで意識したのは、強力打線に的を絞らせないことだった。象徴的だったのは7回1死一塁、筒香に対し、初球126キロフォークで二ゴロ併殺打に仕留めた場面だ。「早打ちの打者が多いので初球からフォークを投げたりした」と中田。打者28人と対戦し、初球を変化球で入ったのは実に20人にのぼる。まいた「えさ」に食いついたDeNA打線を手玉に取り、7回まで79球とほぼ理想通りの投球だった。

 DeNA戦は、横浜時代の10年9月12日(ナゴヤドーム)以来先発6連勝とキラーぶりも健在。今季最多貯金14とした秋山監督は「最後の8回はばたばたしたけど、それ以外はいい投球だった」と右腕をねぎらった。

 試合後、右足をひきずり家路についた中田。右膝は打撲だったものの、休養も兼ね、15日、出場選手登録を抹消される。ペナントレースの再開を視野に入れた充電期間だ。「また、しっかり投げられるように調整したい」。この日05年の実数発表以来最速の30試合目で主催試合の観客動員100万人に到達した。地元の声援は何よりの励み。オリックス追走へ。ファンの期待を受けた背番号11は交流戦後の爆発を誓った。 

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2014年6月15日のニュース