木村に強攻策、雄星にワインドアップ令でレオ最下位脱出

[ 2014年6月15日 06:00 ]

<西・神>2回、逆転2ランを放った木村(右)を迎える西武・田辺監督代行

交流戦 西武3―2阪神

(6月14日 西武D)
 想定外だった。0―1の2回無死一塁。西武・木村は送りバントのサインを頭に浮かべながら打席に向かった。ところが違った。強攻策。田辺監督代行の指示に燃えた。

 「犠打(のサイン)じゃなかったので“よしっ”と思った」。能見の直球を強振し、中堅左に叩き込んだ。一時逆転の6号2ラン。伊原監督の下では犠打やヒットエンドランで走者を進める策が徹底されていた。田辺監督代行は言う。「犠打も考えられるけど、一塁走者も(足の遅い)メヒアだったので悪い流れになると。“思いっきり打て”と指示した。(自分の色と)感じてくれればいい」。10三振を喫しながら、攻撃的采配が的中して能見に土をつけた。

 教え子のパンチ力にも期待した。木村は12年途中に投手から野手に転向。指揮官は打撃コーチ時代、スイング時に左の腰と肩が上がる悪癖を矯正し、水平に振り切ることを教え込んだ。打撃投手も務めて何百球も打たせ、主力野手へと成長させた。その25歳が、今季初めて西武ドームを満員に埋めた3万3851人の大観衆を沸かせた。

 先発した菊池にも躍動感が戻った。制球を安定させるため、伊原監督の指示で4月12日日本ハム戦(札幌ドーム)以降封印していたワインドアップを解禁させた。「監督、コーチから振りかぶっていいと言われて調整しました」。7回2失点で3勝目。今季最速タイの152キロもマークした。本来の球威を取り戻した姿に田辺監督代行は「いい方にいってくれて良かった」と目を細めた。

 今季初の4連勝。4月5日から指定席だった最下位を脱出した。「確実に選手が強くなっている。1、2点リードされてもまだまだいけるという雰囲気がある」と田辺監督代行。指揮を執ってから5勝2敗。接戦で勝負弱かった西武ではなくなった。 (神田 佑)

 ▼西武・後藤高志オーナー(田辺監督代行指揮下では初の観戦)今季4試合目にして初めて勝った。ライオンズらしさが出てきた。

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2014年6月15日のニュース