菅野トップ8勝 マー君に勝った杜の都で7回1/3零封

[ 2014年6月15日 05:30 ]

<楽・巨>8勝目を挙げ、ジャビットと喜ぶ巨人・菅野

 巨人・菅野智之投手(24)が14日、楽天戦に先発し、7回1/3を3安打無失点。美馬学投手(27)との投手戦を制し、5月17日広島戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりでリーグ単独トップとなる8勝目を挙げた。コボスタ宮城での楽天戦は昨年11月2日の日本シリーズ第6戦で田中将大投手(25=現ヤンキース)に投げ勝って以来。思い入れの強い球場で今季初めて交流戦で白星を挙げ、チームを5連勝、今季初の2桁となる貯金10に導いた。

【試合結果 交流戦日程】

 杜の都に吹く風が心地よかった。224日ぶりに上がったコボスタ宮城のマウンド。菅野は特別な思いを口にした。

 「(昨季の)日本シリーズは自分にとって大きな財産。マウンドに上がる 時、ここで戦ったなと思い出しながら投げました。モチベーションや気持ちの面で違います」

 0―0の7回。球数は100球を超え、2死一、二塁とされた。昨季の日本シリーズ第6戦で楽天のエース田中に投げ勝ったことを思い出した。学んだのは好投手と投げ合う時は先に絶対点を取られないこと。「その時の経験が間違いなく生きていると思う」。田中のようにピンチでギアを上げ、内角に全力で投げた。142キロ直球で聖沢のバットをへし折った。投ゴロに打ち取り、右手でグラブを叩いた。1点も与えず、シリーズMVPの美馬に投げ勝った。

 昨オフ、米アリゾナ州での自主トレ中。米国球界は田中の移籍先で話題は持ちきりだった。菅野はホテルでテレビをつけると、田中に唯一投げ勝った男として自身が紹介された。「ビックリした。あれはうれしかった」。田中とは昨季の球宴で食事をともにしたこともある。現在も時間の許す限りメジャーでの登板をチェックしている。尊敬する先輩の連勝を止めたマウンドで踏ん張った。

 逆境も生かした。5月29日に祖父・原貢氏(享年79)が死去。心身の疲労から6月9日に発熱し、都内の病院で点滴治療を受けた。予定されていた同11日日本ハム戦(札幌ドーム)の先発は体調不良で回避した。中7日。この日のデーゲームに合わせ、登板間は朝6時半に起床した。前日に仙台市内の焼き肉店で行われた決起集会では体を重くしないように、ほとんど肉に手をつけなかった。

 「迷惑をかけた分、長いイニングを投げたかったので良かった」。7回1/3を無失点。リーグ単独トップの8勝目を挙げ、チームを5連勝に導いた。「前に出て引っ張っていく気持ちを持ってやりたい」。投手陣の柱としてフル回転する2年目右腕は、思い出のマウンドで確かな成長の跡を刻んだ。

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2014年6月15日のニュース