阪神 二塁の呪縛…上本離脱後、スタメン3選手が6戦18タコ

[ 2014年5月10日 10:57 ]

<神・巨>1回、荒木は見逃しの三振に倒れベンチに引き揚げる。右は和田監督

セ・リーグ 阪神2-4巨人

(5月9日 甲子園)
 阪神は4番・ゴメスの巨人戦初アーチなど相手打線を上回る9安打を放ちながらも2得点に終わり、今季初の3連敗を喫した。和田豊監督(51)は、中軸の前に走者をためられない展開を敗因の一つとした。1番打者で正二塁手だった上本が故障離脱した4日以降、二塁手のスタメンは、この日の荒木を含め3選手が計6試合18打数ノーヒット。リードオフマンの不在が、チームに暗い影を落とし始めた。

 和田阪神をここまで押し上げてきた猛虎打線は、この夜も機能しなかった。ヒットこそ出るものの思うようにつながらない。9安打を放ちながら奪った得点は2。ユニホームが緑に変わっても打線に劇的な変化は見られず。今季初の3連敗に、和田監督の表情も険しさを増した。

 「クリーンアップの前にランナーが出ない。そこがあるともう少し、活気が出てくる。ゴメスの1点だけではね」

 初回の2死二塁を手始めに、2回2死一、二塁、5回1死二塁とチャンスは何度もつくった。むしろ、5回までは押せ押せムード。それでも、決定打が出なければ、やはり流れを失ってしまう。逆転を許し、2点差に追い上げた7回1死一、二塁も大和、鳥谷が連続三振に倒れた。

 9連戦も7試合を終え2勝5敗となり“負け越し”が決まった。ここへ来てクローズアップされるのが上本の存在だ。3日のヤクルト戦で右親指末節骨骨折。翌4日に登録抹消されると「1番・二塁」の穴がぽっかりと空いてしまった。

 「二塁の呪縛」とでもいうのか…深刻なデータがある。4日のヤクルト戦からこの日まで二塁で先発出場したのは荒木、大和、坂の3人。この日も「1番二塁」で出場し3タコに終わった荒木は計3試合で7打数無安打と苦しむなど、3人でトータル6試合18打数ノーヒット、誰一人、出塁さえできていない惨状だ。30試合を終えた時点で1試合平均得点5・7だったのが、上本離脱後の6試合に限れば同2・3まで下降した。チーム成績も2勝4敗と勢いは確実に薄れつつある。

 「当分は(二塁は)落ち着けられない。固まるころには状態は良くなるんだろうけど。もう少し時間はかかるかな」。打開策を見つけるために懸命な指揮官も歯切れが悪い。結果を残せなかった荒木は、試合後のコーチ会議できょう10日に先発する榎田との入れ替えでの登録抹消が決まった。

 第2戦の先発・内海は前回4月12日の対戦で攻略したが、簡単な相手ではない。果たして、新たなオーダーが起爆剤となりうるのか。何とかして浮上のきっかけをつかみたい。

 ≪18打数無安打≫阪神は上本が負傷離脱した4日以降、日替わりで二塁手を先発させているが、打撃成績は6試合で19打席、18打数無安打。この日の荒木の第3打席を含め、走者得点圏で迎えた打席も4度あったが、すべて凡退に終わっている。

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2014年5月10日のニュース