長野 7番降格でV打 坂本は今季盗塁許してなかった能見から走った

[ 2014年5月10日 05:30 ]

<神・巨>7回1死二、三塁、長野は左前適時打を放つ

セ・リーグ 巨人4-2阪神

(5月9日 甲子園)
 見逃せばボールだった。能見が低めに投じたフォーク。巨人・長野はしっかりと目線と体でついていった。同点の7回1死二、三塁から左前にはじき返した。4月20日の中日戦(東京ドーム)以来となる決勝打に言葉も弾んだ。

 「いいところに転がってくれてよかった。阿部さん、ホセ(ロペス)がつないでくれた。自分もという気持ちだった」

 11試合連続で3番を務めてきたが、最近5試合は打率・200で1打点。この日は7番に降格した。しかも、「能見さんは球威もあるし、抜くのもうまい。調子を崩されるんですよね」と話していた。だが、この回、長野の前のロペスも左翼線二塁打したのは、低めのフォークだった。速球と変化球の両方を追いかけるのをやめ、各自が狙い球を絞ったことで生まれた決勝打だった。

 前回4月12日(甲子園)で6安打完封を許した相手エースに、この日も5回までわずか1安打。その流れを変えたのが6回の坂本の二盗だった。2死から右前打で出塁し、片岡の2球目に成功させた。今季許した盗塁がなかった左腕の動揺を誘い、次の一投はチェンジアップが高く浮き、片岡の左前打が生まれた。「思い切っていくだけだった。僕が走れば、みんなの意識も高まると思う」と話す坂本の勇気が、同点劇、7回の攻略につながった。原監督も「相手もダメージがあったと思う」と振り返る。早くも今季10盗塁。しかも、1度しか失敗しておらず、坂本は「やみくもに走るのではなく、確率を求めていきたい」と言った。

 この日も4番に今季初めて阿部を据えるなど、原監督は試合ごとに打順を動かす。長野、坂本も1番、3番、下位打線と役割は毎試合変わるが「自分の打撃をして、次につなげるだけ」が2人の口癖だ。

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