プリンス不在で団結!広島・松山 代打V打「全員でカバー」

[ 2014年5月10日 05:30 ]

<広・中>7回1死一、三塁、右前勝ち越し適時打を放った代打・松山は雄叫び

セ・リーグ 広島3-2中日

(5月9日 マツダ)
 背番号7の姿がグラウンドから消えた夜。ナインが燃え、勝利を手にした広島・野村監督は安どの息をついていた。「堂(堂林)のアクシデントは状態が上がってきただけに痛いけど、いる選手で頑張るしかない。その意味で(離脱)初戦を取れたのはよかった」。一丸野球を体現した選手の奮闘を称えた。

 見せ場は1―1の7回だ。1死一、三塁の好機で指揮官は代打攻勢を仕掛ける。まずは白浜に代えて松山。祖父江のスライダーを捉えた打球は値千金の右前勝ち越し打。「空振りした初球のスライダーと同じ球。切れていた変化球を初球から振っていけたのがよかった」と背番号37は笑った。

 続く篠田の代打・中東が四球で歩いた1死満塁で、野村監督は1番・鈴木誠の代打にルーキー田中を告げる。ここで左の高橋聡が登板すると、今度は代打の代打に梵を指名。選手会長は存在感を見せつけた。カウント3―1からの甘い直球を見逃さず右犠飛。「みんながしっかりつないでくれたしチームが勝ってよかった」と短いコメントに充実感がにじんでいた。

 堂林の奇禍は首位を快走するチームに与える影響は小さくない。焦らずにしっかり治して戻って来いよ―。傷心の22歳にそう声を掛けたという松山は「最近の堂林からしたら抜けるのは痛い。全員でカバーしていくしかない」と話した。「(1軍に)いない選手はしっかり治し、いる選手には調子を上げてもらう。調子を落としている選手は、これをキッッカケにしくれれば…」と野村監督。総力を結集し、一丸の気持ちがこもった投打の歯車は、簡単に乱れない。

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2014年5月10日のニュース