ダル 進化の15イニング0封 新武器チェンジアップで凡打の山

[ 2014年4月13日 05:30 ]

<レンジャーズ・アストロズ>親指の皮がむけるアクシデントに見舞われるも、力投するダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ1―0アストロズ

(4月11日 アーリントン)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が11日(日本時間12日)、本拠地でのアストロズ戦に先発。8回を1安打1四球無失点と、ほぼ完璧に相手打線を封じた。試合は0―0のまま延長戦を迎え、12回にレ軍がサヨナラ勝ち。自身の2連勝こそならなかったものの、これで今季初登板から15イニング連続無失点。8回101球の省エネ投球に加え、昨季までほとんど投げなかったチェンジアップを効果的に生かすなど、進化した姿を披露した。

 6回無死、遊撃手の後方に上がったドミンゲスの打球が中前に弾むと同時に、場内をため息が包み込んだ。この日、ダルビッシュが唯一許した安打。しかし、表情ひとつ変えることなく、その後も凡打と三振の山を築いた。

 打線の援護がなく2勝目は逃したものの、8回を1安打無失点。昨年4月2日、9回2死まで完全試合を演じたア軍戦を彷彿(ほうふつ)させる快投を演じても「別に何も意識していなかった。その後、点は取られないようにと思っただけ」と淡々と話した。

 左打者を6人並べたア軍相手に効果的だったのが、今季から着手したチェンジアップ。5回にクラウスから空振りも奪うなど「左打者に考えさせることができたと思う。良かった」と収穫を口にした。逆に、肘の負担を考慮してキャンプから封印している伝家の宝刀、スプリットは、1球も投げなかった。高校時代は「あの球を投げられたら、もう打たれないですよ」とシンカーを決め球にしていた。体格やフォームの変化などでシンカーを投げることが困難となった現在、その代わりの球種が左打者の外角へ逃げるチェンジアップだという。「体も変わってくるし、今の状態に合わせた動きを探っている」と進化するスタイルに手応えをつかんでいる。

 7回を89球だった前回6日のレイズ戦に続き、8回で101球。制球力を高めて、打たせて取るスタイルを取り入れることで、球数は飛躍的に減った。昨季は16・5球でメジャーで60番目に多かった1イニング平均の球数は、今季2番目に少ない12・67球に改善。今季初登板から15イニング無失点の男は「メジャーの試合で投げているだけで幸せ。点は別にいいです」と言い放つ余裕すら見せた。ダルビッシュは進化の歩みを止めない。

 ▼レンジャーズ、ロン・ワシントン監督 援護してあげたかったが…。(ダルビッシュは)去年よりも切れがあるし、速球の制球が向上している。四隅を完璧に使い分けていた。

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