早大・有原 151キロ出た!日米16球団スカウトうならせた

[ 2014年4月13日 05:30 ]

<法大・早大>4安打完封勝利の早大・有原

東京六大学野球第1週第1日 早大3―0法大

(4月12日 神宮)
 春季リーグが開幕し、1回戦2試合が行われた。今秋のドラフト1位候補対決は、早大・有原航平投手(4年)が三塁を踏ませずに4安打完封で、法大・石田健大投手(4年)をしのいで、早大が3―0で勝った。また、リーグ3連覇を狙う明大は山崎福也(さちや)投手(4年)が東大戦で7回を3安打無失点と好投し、8回には自ら3点本塁打も放って快勝。東大は引き分けを挟んで67連敗。

 最後の打者を右飛に打ち取ると、有原は右手を突き上げた。三塁を踏ませず4安打でシャットアウト。ともに広島出身でオフには食事にも出掛ける同郷のライバル、法大・石田との投げ合いを制し「チームも自分も勢いづく投球がしたかったので良かった」と胸を張った。

 序盤は直球に切れがなく、4回までに3安打を許し、奪三振は0だった。きっかけをつかんだのは5回2死。第1打席で中前打を許した石田との対戦だった。9球粘られた末に四球を与えたが、そこで指先の感覚をつかんだ。5回以降は内野安打1本で切り抜け、7奪三振と尻上がりに調子を上げた。そして9回にこの日最速の151キロを計測。チェンジアップの落差も大きくなり「腕が振れるようになって、より真っすぐの軌道に近いものになったと思う」と分析した。

 下級生時代は主な役割はストッパーだったが、昨春から先発として主戦となった。だが、昨年は優勝争いに絡めずチームは4、3位に終わった。「自分が先発になってからなので、責任を感じていた」。冬場はスタミナ強化のために例年よりも多くブルペン入りし「中盤から終盤にかけて三振が取れたのは自信になった」と投げ込みの成果を実感した。

 3月の米国キャンプでは現地の大学生相手に2試合に登板。150キロを超える球威は、メジャースカウトの視線をもくぎ付けにした。この日は神宮のネット裏には国内12球団に加え、ヤンキース、ドジャースなどメジャー4球団が視察。日米双方からの熱い注目にも、「やることは変わらない」と目の前の打者だけに集中した。

 打撃でも3回1死二塁から右中間へ先制の適時二塁打を放ち、決勝打にリーグ戦通算14勝目。「あしたも投げる準備をしたい」。独り舞台の開幕戦を終えたばかりの有原がフル回転を誓った。

 ▼巨人・山下哲治スカウト部長 3人とも間違いなく1位候補。有原は投球の工夫ができるようになった。石田もAクラス(の評価)は変わらない。山崎は変化球の切れが良くなった。

 ▼ロッテ・松本尚樹編成統括 有原は高校時代から変わらず、器用なところが素晴らしい。石田は以前は直球で押している印象だったが、今は打者をしっかり見ている。

 ▼西武・奥園満編成部育成アマ担当部長 有原は昨年から変わらずいい投手。(石田、山崎を含めた)3投手とも見応えのある投球だった。今年の(ドラフトの)目玉になることは間違いない。

 ▼広島・苑田聡彦スカウト統括部長 有原はスピードがあるし、山崎はうちの野村のようにその日の調子を見て投げられる。(ドラフト)1位で消える投手。

 ▼オリックス・中川隆治チーフスカウト 山崎は手先が起用で、考えながら投げられる。今年の投手の中で抜けている。

 ▼DeNA・吉田孝司スカウト部部長 (3人とも)上位候補。山崎はバッティングもいいね。

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