マー君 完封で開幕25連勝 CSは初登板から3戦連続完投勝利

[ 2013年10月18日 06:00 ]

<楽・ロ>9回2死、鈴木を三振に斬りガッツポーズする田中

パ・リーグCSファイナルステージ第1戦 楽天2―0ロッテ

(10月17日 Kスタ宮城)
 さすが、不敗のエースだ。パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ(6試合制)が17日に開幕し、楽天の田中将大投手(24)がロッテを相手に7安打を許しながらも完封勝利。レギュラーシーズンで24勝0敗だったエースは、今季開幕からの連勝を「25」に伸ばした。リーグ優勝チームの楽天には1勝のアドバンテージがあるため、これで2勝。18日の第2戦も勝つか、引き分ければ、球団初の日本シリーズ進出に王手がかかる。

 最後は内角に、この日の最速となる151キロの剛速球を投じた。鈴木のバットはピクリとも動かない。見逃し三振。マウンド上で勢い余ってクルリと回った田中は、右拳を握って叫んだ。「よっしゃあ!」。ロッテの勢いを止める完封勝利。お立ち台での声も弾んだ。

 「最後に一番いい球がいったかなと思う。いつも序盤にヒットを打たれて皆さんをヒヤヒヤさせるけどゼロに抑えることができて良かった」

 初回、2回とも2安打を許しながら無失点。3回以降はフォームのバランスも良くなり、計7安打を許したが三塁を踏ませなかった。「スライダーが良かった。本当に久しぶりですけど」と手応えを口にした。

 短期決戦のCSは、09年の初登板から3試合連続完投勝利となった。プレーオフ、CSで初登板から3戦3勝は3人目だが、3試合完投勝利は初登板からの条件を外しても田中が初。ここ一番での勝負強さを発揮している。シーズン中と同様にファーストストライクを積極的に狙ってきた相手に対し、その上をいった。9回までの120球のうち直球、いわゆるフォーシームはわずか23球。打者34人に対して初球に投じたのは3人だけだった。好調だったスライダー、得意のスプリット、さらに右打者にはツーシームで内角を攻めるなど、初球から「勝負」することで相手を圧倒した。

 今季は無傷の24連勝で、19勝を挙げた11年に並ぶ防御率1・27の好成績を残したが「最後の何試合かで失点して防御率が上がってしまった」と反省し、さらに「(11年の防御率に)並んでないです」と語気を強める。記録では1・27で並んでいるが、11年の防御率は1・272で今季は1・273。わずか0・001にこだわる姿勢が、田中が進化を続ける理由だ。

 チームはアドバンテージの1勝を含め2勝。CSは初采配となる星野監督も「完封は素晴らしい。ベンチの期待通りの球を投げてくれた」と目を細めた。

 「選手全員で勝てたのは2戦目以降につながる。また投げる準備をしたいです」。2度目の先発はもちろん、今後の状況によっては中継ぎや抑えを任される可能性もある。スーパーエースが見据えるのは「日本一」。そのために身を削る覚悟だ。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ 田中はプレッシャーがあったのか、立ち上がりはブルペンより腕が振れていなかった。(8回に味方の失策で走者を出したが)あそこで打たれたら、普通のピッチャーになってしまうよ。

 ≪3人目≫田中(楽)がCS初完封勝利を挙げた。これで09年のCS初登板から3試合連続完投勝利。プレーオフ、CSで初登板から3戦3勝はダルビッシュ(日=5戦5勝)、川上(中)に次ぎ3人目で、3試合完投勝利は初登板からの条件を外しても田中が初の快挙。ポストシーズンでも初登板からの3試合連続完投勝利は日本シリーズで51、52年藤本英雄(巨)、81、83年西本聖(巨=4連続)しかおらず、田中は3人目となった。この日は4度の得点圏で内野安打のみの4打数1安打。09年の3失点は本塁打と犠飛、失策によるもので、CSでは得点圏で通算12打数1安打、適時安打を一本も許していない。

 ≪今季最少の援護点で挙げた完封勝利≫田中は今季レギュラーシーズンで、9イニングあたり6・18点の援護点を受けた。完封勝利は2度で、6月16日阪神戦は3―0、7月9日の日本ハム戦は5―0。この日は今季最少の援護点で挙げた完封勝利となった。なお、12年8月26日の日本ハム戦では、延長10回のサヨナラ勝ちで1―0の完封勝利を挙げている。

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