阿部 首位打者へカギは終盤の起用法!7回以降は大幅打率ダウン

[ 2012年6月5日 10:11 ]

 巨人の阿部慎之助捕手(33)は現在リーグ3位の打率・301。05年以来、自身7年ぶりとなる打率3割、さらには首位打者をも狙える位置にいる。過去に捕手の首位打者は野村克也、古田敦也の2人だけ。巨人で獲得すれば初のケースになる。安定した打撃で史上3人目の快挙を目指す阿部の打撃傾向を探ってみた。

 阿部は入団1年目の01年から巨人の正捕手の座を守り続けている。この間、打撃面では通算1376安打、274本塁打、803打点を記録。巨人の捕手では3部門とも歴代1位だ。今季もここまでリーグ3位の打率・301と、首位中日猛追に大きく貢献している。

 ただし、昨季までのシーズン打率をみると、規定打席に達して3割に乗せたのは04年・301=17位、05年・300=15位の2度と意外に少ない。打撃10傑入りも09年に・293で10位に滑り込んだ1度しかない。これまで捕手の首位打者は65年野村、91年古田の2人だけ。打率3傑に枠を広げてもわずか10人(15度)と重労働の捕手にとって難関になっている。巨人の捕手では藤尾茂が56年・276、58年・283でともに5位になったのが最高順位。阿部が首位打者ならもちろん、ベスト3入りでもチーム初となる。

 今季阿部のイニング別打率を出すと、1~3回の序盤が・327、4~6回の中盤が・400と高打率をキープ。ところが、7回以降の終盤は・143とガクンと数字が落ちている。今季33歳を迎え、捕手としては既にベテランの域。加えて終盤のリード面での負担が打率ダウンの要因かもしれない。

 今季巨人で阿部以外に捕手として出場したのは実松15試合、加藤、中谷各1試合と3人いる。阿部がマスクをかぶっている間のチーム防御率は1・99。一方、他の3人のトータルだと1・93と大きな差はない。阿部の打撃を最大限に生かすためにも、試合展開に応じた柔軟な起用法が求められそうだ。

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2012年6月5日のニュース