松井NY凱旋飾る!9打席ぶり安打「全体的に感じいい」

[ 2012年6月5日 06:00 ]

<レイズ・オリオールズ>6回1死、左前打を放つレイズ・松井

ア・リーグ レイズ8―4オリオールズ

(6月3日 セントピーターズバーグ)
 さあ、NY凱旋だ!レイズの松井秀喜外野手(37)は3日(日本時間4日)、オリオールズ戦で9打席ぶりの安打を放ち、3打数1安打。5試合連続で左翼の守備に就き、ジョー・マドン監督(58)もレギュラーとして合格点の評価を与えた。5日(同6日)からはニューヨークでの古巣ヤンキースとの3連戦。かつての戦友も再会を楽しみにしており、思い出の地で大暴れすることで恩返しする。

 マドン監督は松井の起用について、うれしい悩みを口にした。「三塁をやってくれればいいんだけどね」。左膝捻挫で故障者リスト入りしていた正左翼手のジェニングズが次戦5日から復帰するためだ。変幻自在の采配で知られる知将でも、さすがに冗談だが、それほど松井の状態はいい。

 「全体的にも感じはいいと思うし、このまま続けていければいい」。6回1死の第3打席、左腕イブランドの外角低め直球を左前へ。そこから連打などで3点を追加し、背番号55の先発ムーアの5月1日以来の勝利をアシストした。第2打席も相手の好守に阻まれた左中間最深部への飛球。守備からリズムが生まれていることに「自然ですね」と言うほど両膝は良好だ。マドン監督も「安定した打撃をしてくれている。左投手も苦にしない」と称賛し、レギュラーと同等の評価を与えた。

 試合後、松井がチームより一足早く向かった先は、自宅があるニューヨーク。マイナー契約からはい上がり、初の敵地試合が古巣ヤンキース戦というのも、何かの因縁か。03年から09年までプレー。米メディアの取材には、その7年間について「いい街で、いいチームで、いいチームメートとともにできたということが、全て素晴らしい経験」と語った。09年のワールドシリーズでMVPに輝きながら、残留オファーが届かず退団。通常、FAで去った選手の多くはヤ軍ファンから容赦ないブーイングを浴びるが、松井は違う。敵として訪れた時も総立ちの拍手を受けてきた。

 「一緒にやったチームメートに会うのは楽しみだけど、試合になったら何も変わることはない」。ニューヨークは2月下旬から4月末まで孤独な自主トレを送った場所でもある。栄光と挫折を味わった地で、新たな番号「35」を背負い、全ての思いをバットに乗せる。

 【過去のNY凱旋】

 ☆10年4月13日(エンゼルス) 試合前に前年のワールドシリーズ優勝リングの授与式が行われ、唯一エンゼルスのユニホームを着て参加。スタンドからは大歓声で迎えられ、リングを受け取ると、かつてのチームメートたちが一斉に駆け寄り熱い抱擁を交わした。

 ☆11年7月22日(アスレチックス) 同20日のタイガース戦で日米通算500本塁打を達成した松井を古巣が祝福。敵チームの選手にもかかわらず、試合中には過去の名場面集に500号を放った映像が大型スクリーンに流され、最後は「おめでとう500号本塁打」の文字が画面に映し出された。

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