選手年金制度 一時金を支払って解散へ

[ 2010年11月19日 06:00 ]

 プロ野球のオーナー会議(議長=巨人・滝鼻卓雄オーナー)が18日、都内ホテルで開かれ、選手年金制度を12年3月末をもち、一時金を支払って解散する方向で12球団のオーナーが合意した。

 滝鼻議長は「現行制度の続行は事実上できない。関係組織、12球団の担当者が検討した結果、解散に向かうことで意見が一致した」と説明。今後、選手には12月2日の選手会総会で、受給者、待機者を合わせた829人のOBには説明会を開くなどして3分の2以上の賛同を得る作業に入る。

 選手年金の形態である適格退職年金制度は12年3月末で終了。拠出金が優遇措置を受けられなくなるため、新たな制度への移行を検討していた。OBへの現状説明は球団別に行ってきたが、今後は日本野球機構(NPB)が行っていくことも確認された。また、来年の議長は楽天・島田亨オーナーが務めることが決まった。

 ≪日本シリーズのテレビ中継も問題提起≫滝鼻議長は、今年の日本シリーズで地上波の全国中継が3試合なかったことについて問題提起した。「今までにない事態。推薦権の慣習もあるので各球団は結びつきを密にし、NPBももう少しどん欲に交渉してほしい」と指摘。シリーズ放映は出場球団が放送局を推薦するが、全国中継がなかった第1、2戦は中日が推薦権をNPBに返上していた。デーゲーム開催という意見も出たが、中日・白井オーナーは「デーゲームは視聴率も放送権料も下がる。放送権の交渉はNPBがやればいい。来年は地デジ化に対応したやり方も必要」と話していた。

 ≪オールスター戦試合増は慎重な論議≫NPBの財政改善策で浮上した来季オールスター戦の試合増(3試合制)について、12球団代表者会議で実現への可能性を探った。阪神の沼沢専務は「期間が限られ、屋根なし球場で雨天中止もある。問題点を出し合った」と話した。報告を受けたオーナー会議では中日・白井オーナーが「来年(3試合)やると聞いた」、オリックス・宮内オーナーは「1試合で価値を高めるべき」と語るなど、混乱もあり、慎重に論議を重ねる。

 ≪横浜オーナー 売却騒動謝罪≫横浜の若林オーナーが、各球団オーナーらに今オフ浮上した球団売却騒動を謝罪した。「会議前に個々に会話をして頭を下げた。質問は出なかった」と同オーナー。横浜の親会社、TBSホールディングスは将来的な球団売却を否定していないが、若林オーナーは「やるべきことをやるだけ」と来季へ向け球団の赤字体質改善などに努める意向を示した。

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2010年11月19日のニュース