唐川、6勝目!ロッテ40年ぶり8月以降“奪首”

[ 2010年8月27日 06:00 ]

<ロ・西>8回1失点で自己最多の6勝目を挙げた唐川

 パ・リーグは上位3強がゲーム差なしでひしめく大混戦となった。ロッテは26日、西武に同一カード3連勝を飾り、ソフトバンクと同率ながら、6月4日以来の首位に浮上した。先発の唐川侑己投手(21)が8回を1失点と好投。右手中指の骨折から復帰後は3戦3勝で、自己最多の6勝目を挙げた。ロッテが8月以降に首位に立つのは、2期制時(73~82年)を除くと、リーグ優勝した70年以来、40年ぶり。若い力を中心に混パの主役に躍り出る。

【試合結果


 【ロッテ2―1西武】チームを83日ぶりの首位に導いたのは、21歳の唐川だった。自己最多の6勝目。「こういうところで投げさせてもらえて、めっちゃ楽しい。6勝はうれしいけど、もっと勝ちたい」と笑った。
 危険を察知し、配球を変えた。勝負球に選んだのは直球。3回2死三塁、4番・中村に対し、初球スライダーでカウントを稼ぐと、ギアを上げた。140キロの直球を続けボール、見逃し、ボールで2ストライク2ボール。最後も外角への140キロ直球で空振り三振だ。これで波に乗った。
 「カーブがあまり良くなくて、狙われているのか、とらえられていたので。腕も振れていたし、直球は良かった」
 元来が変化球の出し入れで勝負するタイプ。だが、2回にカーブを高山に二塁打。3回も片岡にカーブを遊撃強襲安打された。唐川のカーブは打者の目線をずらす効果があり緩急もつくが、一方で球速がない分、狙われればとらえられる可能性も大きくなる。4回以降、カーブは4球だけ。全114球中、半分以上の60球が直球だった。
 直球も140キロを超えたのは7球だけで、ほとんどが130キロ台中盤。それでも下半身に粘りがあり、腕が遅れて出てくるため打者はタイミングが取りづらい。すべて空振りで奪った7三振中、5つが直球で仕留めたもので、今季初完封を飾った前回19日の日本ハム戦(東京ドーム)に続き、8回1失点と好投した。
 チームは開幕ダッシュに成功したが、5月に入ると唐川、ドラフト1位・荻野貴ら主力が相次いで離脱。徐々に失速し、7連敗を喫した今月5日には4位に転落して貯金も3まで減った。そんな窮地でチームを再加速させたのも12日に復帰した唐川だった。
 昨秋から左足を上げた際に約20センチ中堅方向にひねりを加えるフォームに改造。右足にタメをつくることで下半身が安定し遅れて出てくる右腕のしなりが生まれた。骨折で球を握れないリハビリ中は徹底的に走り込み。下半身の粘りが増し、リリースポイントが打者寄りになったことで直球は球速以上に切れを増した。
 8月以降、ロッテが首位に立つのは前・後期制を除くと70年以来40年ぶり。当時10歳だった西村監督は「全員で勝った。ナイスゲーム。今の順位は関係ない。これからも一戦一戦勝ちにいく」と声を弾ませた。27日からはソフトバンクとの3連戦(ヤフードーム)。西武に続き、直接対決で首位から引きずり降ろす。

 ▼ロッテ・西村監督 唐川は途中から普段のあいつらしい投球ができた。今の順位は関係ない。まだまだこれからの勝負ですよ。

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2010年8月27日のニュース