黒田“雑音”封じて初の2ケタ勝利に王手

[ 2010年8月27日 06:00 ]

ブルワーズ戦に先発し、7回7安打4失点で9勝目を挙げたドジャース・黒田

 【ドジャース5―4ブルワーズ】5試合白星から見放されていたドジャースの黒田が、7回4失点、無四球でメジャー自己最多に並ぶ9勝目を挙げた。

 前日に米メディアが、チームが黒田の保有権の放棄を告知するウエーバーにかけたと報じ、トレードの可能性が急浮上する中での登板。7月22日以来、約1カ月ぶりの白星をつかんだ渦中の右腕は「めちゃくちゃ長かった。(これまで)自分の納得する投球をしながら勝てないのはつらかった」と安どの息を吐き出した。
 試合前には主砲のラミレスもウエーバーにかけられたと複数のメディアが一斉に報じ、クラブハウスは異様な雰囲気に包まれていた。大リーグではプレーオフ進出が厳しくなった球団が、オフに契約が切れる選手を「駆け込みトレード」に備えウエーバーにかけるケースが多い。ド軍ではほかにもポドセドニクら計5選手がウエーバー公示されているという。黒田は「自分には分からないことだけど、そうやってやるのもまたメジャー」と言い聞かせ臨んだ。
 周囲の雑音に加え、この日はそのウエーバーでメッツから移籍してきたばかりの捕手・バラハスと初コンビ。サイン交換に手間取り、先制した直後の4回には3失点で逆転を許した。それでも打線が5回に再逆転に成功。勝利投手の権利を得るとギアを上げ、最後の7回は3者連続三振で締めた。
 「ドジャースはまだ(プレーオフ進出の)チャンスがある。それまではここで頑張りたい」。4試合連続で7回を投げきった黒田の視線は初の2ケタ勝利がかかる次なるマウンドにだけ向けられていた。

 ≪ヤンキース、黒田獲得を否定も…≫黒田獲得の有力候補に挙げられていたヤンキースのキャッシュマンGMは、トレードの可能性を完全否定した。「ウエーバーにかけられているのさえ知らなかった。現状のチームに満足しているし、この布陣でいく」と明言。もっとも26日付のニューヨーク・ポスト紙は、故障者リスト入りしているペティットが27日の投球練習で復帰にメドが立たなければ、保険として黒田獲得に動く可能性はまだある、と報じた。

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2010年8月27日のニュース