松井 主要3部門で“ミスター”超え

[ 2010年8月27日 06:00 ]

<エンゼルス・レイズ>一回1死満塁、右翼線へ適時二塁打を放ち、一塁を回る松井

 【エンゼルス12―3レイズ】ミスターを超えた。エンゼルスの松井秀喜外野手(36)が25日(日本時間26日)、レイズ戦で初回に10試合連続安打となる適時二塁打を放つなど2安打3打点。日米通算の安打数を2473(日本1390、米国1083)とし、恩師の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(74)の2471安打を抜いた。これで本塁打、打点と併せ打撃主要3部門すべてで恩師の成績を超え、一つの恩返しを果たした。

【試合結果


 恩師を超える瞬間。松井は初球であっさり決めてみせた。1点を追う初回1死満塁。身長2メートル6のニーマンが投げ下ろした角度のある外角直球を右翼線に運んだ。走者一掃の適時二塁打。前打者のハンターが死球で歩いたことで、投手心理を見透かしたようにストライクを取りにきた初球を叩いた。
 「いきなり好機で回ってきて、いい打撃ができたと思うし、あそこで逆転できたのでよかった」
 チームは3連敗中。しかも、この日も先頭打者アーチで先取点を許す苦しい展開。それだけに値千金の一撃だった。これで日米通算2472安打とし、生涯の師である長嶋氏を抜いた。好機にめっぽう強く、常にファンの期待に応え続けてきた恩師を喜ばせるのに、ふさわしい2472安打目に、松井は「自分の中で監督の安打数と比べることは全然ないですけど、まあ僕が打って(長嶋氏が)少しでも喜んでくださればうれしいなと。もう、それだけです」。長嶋氏の存在の大きさは数字では測れないが、松井の存在感だって負けてはいない。
 エンゼルス移籍後も、師弟の関係は変わらない。ロサンゼルスが本拠地になり、ニューヨークよりも飛行時間が約3時間縮まると、長嶋氏は04年に脳こうそくを患って以来の現地観戦を熱望。しかし松井は「来てくださるのはうれしいけど、体を第一に考えてほしい」と気遣いを見せ、見送られた。一方で、長嶋氏は試合中継を連日見るたびに、打撃状態をチェック。6月初旬には「フォームのシルエットが良くなってきたぞ。下半身でしっかり振れているし、重心も残っている」などと、節目には助言を送り続けている。
 5回には三塁前に内野安打。最近の出場10試合は、37打数18安打の打率・486。シーズン打率も、6月21日以来の・266まで上げてきた。松井も「打席の中で感じとしてはだいぶいいと思うし、結果もある程度ついてきている」。残り34試合。ようやくエンジン全開だ。

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2010年8月27日のニュース