出た!日本人初の大台 由規161キロ!!

[ 2010年8月27日 06:00 ]

<ヤ・横>7回2死二、三塁、由規は下園を空振り三振に打ち取り雄たけびを上げる 

 ついに夢の大台が出た!ヤクルトの由規投手(20)が26日の横浜戦で、神宮球場の球速表示で日本人選手最速の161キロを記録した。5回にターメル・スレッジ外野手(33)への5球目に記録した。従来の記録はロッテ時代の伊良部(元阪神)や今季自身がマークした158キロだった。この日は敗戦投手となったが、7回を8安打3失点、11奪三振と力投。次は日本球界最速の162キロを狙う。

【試合結果


 【ヤクルト3―9横浜】ケタ外れの数字に、本人も観客も度肝を抜かれた。1点を追う5回1死。スレッジに対し、2ストライク2ボールからの5球目だった。
 「今までになかった感じで指にかかった。三振を取りにいって手応えがあったので。ただ、そこまで球速が出るとは」。
 ひざ元へ全力で投じた直球はボールとなったが、電光掲示板には「161(キロ)」。日本人最速の159キロどころか、夢の大台に乗る日本人最速だ。一瞬静まり返った球場から「おお~っ」というどよめきが起こった。
 真夏の夜の夢か、それとも歴史的瞬間か。小川監督代行は「どうなんだろうね」と言葉を濁したが、女房役の川本は驚かない。「きょうの中で一番速かったし、速っ!と思った。勝負の球だったし、力が入ったんだと思う」と証言した。
 神宮球場側も自信を見せる。以前は打球などの球速を拾う誤作動があったため、08年の球場改修時にスピードガンの位置と台数を変更。バッテリーの延長線上に設置した従来の1台から、左右に1台ずつの合計2台に増やしたことで、投球のみ反応するようになった。戸頃場長は「ですから、161キロが出たということです」と説明した。
 剛速球右腕への第一歩は、仙台育英1年時にリリースポイントを模索して「速く投げられる位置を1カ所だけ見つけた」ことだった。しかし、菊地トレーナーによると「下半身にも理由がある」という。一般には上、下半身の硬さは一致するが、由規は上が軟らかく、下が硬い。安定した下半身を土台に上半身をしなやかに使う動きは、伊藤投手コーチが「(土台が固定された)ピッチングマシンのよう」と表現する。その土台に油を差す作業として、7月29日広島戦(神宮)からは試合中の合間に股関節のストレッチを導入。以来3試合連続で158キロを叩き出していた。
 161キロを出したが、試合は7回3失点で今季7敗目を喫した。「スピードは勝ちに生かしたい。出たことはうれしいけれど、そこが最大の目標じゃない」。真夏の夜の夢じゃない。20歳右腕には再び記録を塗り替えるチャンスがいくらでもある。

 ▼横浜・スレッジ(由規の161キロを打席で体感)ひざ元に普段より凄い球がきたので逃げるような感じになった。161キロと出ていたのでビックリした。小さな体であれだけ凄い球を投げられるのは素晴らしい。そういう場面に立ち会えて光栄。

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2010年8月27日のニュース