2発城島が口火…阪神“新伝説”3連発で奪首

[ 2010年8月13日 06:00 ]

<広・神>6回無死一、二塁、城島は左越えに逆転3ラン

 【阪神10―6広島】この男、当たりだしたら止まらない。阪神・城島だ。ハイライトは2点を追う6回無死一、二塁だった。スタルツの2球目、123キロチェンジアップを左翼へ。この21号逆転3ランから再び「伝説」が刻まれる。続く桜井、狩野も一発。3者連続本塁打は、阪神ではリーグ優勝した03年5月9日の横浜戦(横浜)での浜中、片岡、アリアス以来だ。

 「勝てばどんな形でもいい。2発目、3発目はしんどい。(3連発の)1発目が一番楽だよ」。終わってみれば7安打を集中して1イニング7点奪取の猛攻。その口火を切った城島は不敵に笑った。
 実は逆転弾の打席の初球は、送りバントのサインが出ていた。「でもサインが変わったから。変なバッティングはできない、と思い切っていった」。城島自身はダイエー、ソフトバンク時代の01、03年、さらに05年は2度も3連発の一員となっており、実にこの日が5度目だ。持っている男、は何をやってもうまくいく。サインを変え、バツの悪そうな顔で出迎えた真弓監督も「あの一発でフン詰まりしてたのが一気に出た」と最敬礼だ。
 3連発を呼び込んだだけでなく、メモリアル弾も放った。2回1死で左翼へ20号ソロ。阪神の捕手では1978年の田淵幸一以来32年ぶりの20本塁打に「よく切れなかった。ラッキー、ラッキー、よく切れなかった。神に感謝!」と喜んだ。
 阪神と3連発。忘れられないのが85年4月17日の巨人戦(甲子園)でのバース、掛布、岡田によるバックスクリーン3連発だ。その試合に1番で出場していた真弓監督は「あのときは21年間、優勝してなかった。今は当然優勝争いするチームなんだから」と誇らしげ。今季最多の19安打で連敗は5でストップ。巨人を4厘差でかわして再び首位に躍り出た。勢いが再び加速。そんな予感がする勝ちっぷりだった。

 ≪“イケイケ”続いた≫城島に続いて左翼へ8号ソロを放った桜井は「ジョーさんの余韻で打てた」と振り返った。打ったのは2ボールからの3球目。続く狩野も「前の2人が打っていて雰囲気が“イケイケ”だった」と、初球の125キロスライダーを左翼スタンドに叩き込んだ。ファーストストライクを逃さず、まさに勢いに乗っての3連発だった。

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2010年8月13日のニュース