ドラ1候補“T―山田”強襲2安打に“ホームスチール”も決めた

[ 2010年8月13日 06:51 ]

<履正社・天理>3回無死、履正社・山田は沼田を強襲する内野安打を放つ

 【履正社4―1点利】強烈な2本だった。履正社・山田の高校生離れしたバットスイングから生まれた打球が、天理先発・沼田ののど元を直撃した。3回の第2打席。注目の近畿対決を見ようと、今大会初めて満員の4万7000人で埋まったスタンドも思わずどよめいた。

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天理・森川監督「もうこういうチームはつくりません」

 「(大観衆に)幸せでした。監督からは“プロでもこんなに集まらないぞ”と言われました。自分のプレーで盛り上がってくれてよかった」。5回無死二塁では、今度は三塁・中村の体をはじく。打球が外野を転々とする間に山田は二塁へ。強襲安打2本。「T―山田」の鮮烈な甲子園デビューだった。
 同校OBのオリックス・T―岡田をもじり「哲人」のイニシャルからついたニックネーム。しかし公式戦のメンバー表に記入する際は、字画が良くないと「人」の字に「ノ」が加えられた。今大会で高野連に提出したメンバー表もそうだった。ひと味違うプレーを見せるスラッガーは、ひと文字違う男でもあった。
 その快足ぶりも魅力だ。5回2死一、三塁、打者・正木の場面で一塁走者の出口が大きくリード。投手のけん制球を誘い、さらに故意に転んでみせた。ここ一番のトリックプレー。一塁走者が一、二塁間に挟まれる間に三塁走者の山田は3点目のホームを踏んだ。記録は本盗。打って走って、スタンドを魅了した。
 記念すべき夏の甲子園初勝利。「うれしいです」と声を弾ませたT―山田には、今夏の主役になりそうな気配がむんむんと漂っている。

 ▼オリックス・T―岡田 初戦突破おめでとうございます。OBとしてうれしい限りです。ただ(母校のことを)心配している立場じゃありません。今は自分のことで精いっぱいです。

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