斎藤から完封リレー…日本、韓国に快勝発進

[ 2010年7月31日 06:00 ]

<日本・韓国>6回9奪三振と力投した斎藤

 斎藤が日本野球の底力を世界に示した。日本初開催となる第5回世界大学野球選手権が神宮球場などで30日に開幕。1次リーグで韓国と対戦した日本は、エースの斎藤佑樹投手(早大4年)が6回無失点、9三振を奪う力投。投手陣全体でも韓国打線から17三振を奪い、4―0で快勝した。5大会連続出場で悲願の初優勝に向けて好発進した日本は、31日に中国と対戦する。

【試合結果


 世界のひのき舞台で頼れるエースが、マウンドに君臨した。斎藤が初戦の重圧をはねのけ6回無失点。9奪三振で韓国をねじ伏せた。
 「どんな内容でも乾、大石につないで、勝てればいいと思ってました。アマチュアとしての最後のジャパンなので、何としても優勝したいという気持ちでした」
 初回から快調に飛ばした。まずは先頭打者を3球三振。2死後に連打を浴びたが、5番打者も空振りの三振に仕留めリズムに乗った。2回以降も低めに変化球を集め、6回まで毎回の9奪三振。端正なマスクをゆがめながら、時折マウンドで「おりゃ」とほえるなど気迫を前面に出して日本の初陣を飾った。
 リーグ戦とはひと味違う投球だった。初回の2三振を含め、これまでほとんど投げていなかったチェンジアップを多投した。「今まで練習はしていたんですけど、社会人とのオープン戦で有効的に使えたので。凄く空振りを取れたので自信になりました」。ほとんど投げたことのない球を国際大会でいきなり投げる勇気。球の切れもさることながら、このメンタル面の強さこそが斎藤のエースたるゆえんだ。
 今春のリーグ戦では2勝に終わるなど、本来の調子とはほど遠かった。しかし、6月の代表候補合宿前に榎本監督にかけられた一言が斎藤を変えた。「おまえ、あんなにヨドバシカメラ向いてたか?」。神宮球場の本塁ベースのやや左後方には、ヨドバシカメラの広告が出ている。斎藤の投球フォームがやや開き気味であることを指揮官は軽やかな表現で伝えたのだ。「きょうの斎藤君は去年の投球とは別人。我慢強く投げてくれたし、さすが斎藤君やなと思いました」と榎本監督はエースの投球を絶賛した。
 ベンチには負傷のため代表から離脱した沢村(中大4年)、林崎(東洋大4年)のユニホームを掲げ、2人の思いも背負って戦う。悲願の初優勝に向け日本が好スタートを切った。

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2010年7月31日のニュース