イチロー3二塁打!41試合ぶり“猛打賞”

[ 2010年7月31日 06:00 ]

ホワイトソックス戦の3回、左中間二塁打を放つマリナーズのイチロー

 【マリナーズ5―9ホワイトソックス】マリナーズのイチロー外野手(36)が29日(日本時間30日)のホワイトソックス戦で3本の二塁打を放った。1試合3安打は6月12日のパドレス戦以来41試合ぶり。40試合連続3安打以上なしの自己ワーストに並んでいたが、更新を瀬戸際で阻止。月間打率も自己ワーストから大きく引き上げた。不振にあえいだ7月だが、10年連続200安打へ向け、鮮やかに軌道修正してみせた。

【試合結果


 今月ようやく2本目となる長打が号砲だった。イチローが初回、元同僚・ガルシアから右翼線を破る二塁打。2打席目も左中間を真っ二つに割る二塁打で続いた。そして迎えた7回1死一塁。やはり元同僚のプッツ相手に5球ファウルで粘り、9球目の151キロを一閃(いっせん)。左翼手を越え、適時打が弾んだ。03年9月30日以来メジャー2度目の1試合3二塁打だった。
 ワースト記録更新から逃れた。6月13日から前日まで、40試合連続1試合3安打なし。06年7~9月の自己ワーストに並んでいた。・231と自己ワーストに沈んでいた月間打率も、・248へ急浮上。月間長打も4本とし、過去6度あった自己最少の月間3長打を一気に抜いた。
 加えて記録男らしく、相手の記録も奪ってしまう。プッツはホ軍球団記録を更新する27試合、27イニング連続無失点中だった。「お疲れさまでした。悪い気はしない。でもプラスアルファの意識があるわけではない」と終止符を打ったことには淡々。一方で間合いを長く取ったり、構える最中に投げたりした元同僚に「大きな人がこちょこちょやるのは、凄く格好いいなぁと思いますね」。1メートル95、112キロの巨漢が仕掛けた小細工を皮肉った。
 もっとも、この攻防の中に復調の兆しがキラリ。相手のプッツは9球中8球が150キロを超す速球で押した。「変化球より、とにかく速球で押そうと。捕手も同じ考えだった」とプッツ。7月に入り150キロを超す速球にてこずり、昨季まで3年間で・363だった速球への打率は・259へ急降下していた。粘り抜き、力勝負を真っ向から制した意味は大きい。
 1番打者の3安打3得点もむなしく、試合は逆転負け。今季ホ軍には1勝9敗、敵地での7試合は全敗となった。「この結果で疲れていない選手はいない。誰が意気揚々と野球ができますか、この状況で」と厳しく言い放ったイチロー。孤独な戦いは続くが、湿りっぱなしだったバットへの光明は見えてきたはずだ。

 ≪日米通算470二塁打≫イチローがメジャー2度目の1試合3二塁打で日米通算460二塁打とした。1試合3二塁打はマ軍球団タイ記録で、23度目。昨季までの9年間で二塁打は年平均25本打っており、来季中にもプロ野球記録の立浪和義の487二塁打を更新する可能性がある。メジャー250二塁打へはあと1本。大リーグ記録はトリス・スピーカーの792二塁打。またオリックス時代には94年9月11日の近鉄戦で1試合4二塁打し、日本記録に並んでいる。

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2010年7月31日のニュース