高橋“シンカ”発揮!紅白戦2回4K!ドミニカ直行

[ 2010年3月3日 06:00 ]

紅白戦で2回を投げ4Kを奪った高橋

 メッツとマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプに参加中の高橋尚成投手(34)が1日(日本時間2日)の紅白戦に初登板。就労ビザの関係で緊急登板となったが、3回から登板し2回を3安打1失点。4回は主力3選手をすべて空振り三振に仕留めるなど計4三振を奪った。試合後はビザ取得手続きのため、ドミニカ共和国へ出国する慌ただしい1日となった。

 初登板を終えると、急いで荷物をまとめ、キャンプ地から100マイル(約160キロ)以上南下するマイアミ空港へと向かった。行き先はドミニカ共和国の米国大使館。当初はカナダで就労ビザを取得する計画もあったが、球団は手続きを急ぐために午後4時にドミニカ共和国へ向かうように指示。高橋は「1日で取得できることに感謝したい。不安よりも逆に楽しい。あとは自分が頑張るだけ」と決意をのぞかせた。
 紅白戦登板の時点では今後の登板日は未定だった。有料試合となるオープン戦は、ビザを取得しなければ出場することはできない。そのため2日のブレーブス戦先発が、急きょ1日前倒しになった。だが、味方相手でも、開幕メジャーを目指す高橋は無駄にはできない。4回先頭のプリディーに内角直球を右翼に被弾したが、フランコア、タティス、バラハスの主力右打者3人をすべて宝刀シンカーで空振り三振。「シンカーが凄く有効だと分かった。あの球が自分の軸になる」と振り返る。06年に29本塁打の実績があるフランコアも「シンカーにやられた」と何度も首を振った。
 マニエル監督は左打者3人に安打を許したことに「もうちょっと違う投球を見たかった」と期待を込めて辛口な評価をしたが、高橋は「左打者へシンカーを1球しか投げていない。これからどんどん投げる」と前を向いた。勝負球を左打者の内外角にも投げ分けられるよう自主トレから磨いてきた。勝負のオープン戦へ、手の内は見せていない。
 初めて米国の審判のストライクゾーンも確認し「日本と大きな差はない」と手応えを得た。3日(日本時間4日)夜には再びキャンプ地に戻る高橋。オープン戦出場への障害が消え、ここからの本当の勝負となる。

 ◆米国就労ビザ 第三国の米国大使館でも申請が可能。日本で申請する場合は通常、必要書類提出から1週間から10日ほどかかるが、外国であれば、代理人が書類を提出後、本人が大使館に出向いた時点で即時発給となる場合もある。ドミニカ共和国は同国出身の大リーガーが多く、米国大使館からの就労ビザ発給がスムーズに進むことで知られている。

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2010年3月3日のニュース