工藤、開幕ピンチ…2度目の登板回避、2軍落ち

[ 2010年3月3日 06:00 ]

左ひじの張りを訴え、2軍で調整することが決まった西武・工藤

 西武に16年ぶりに復帰した工藤公康投手(46)が2日、ソフトバンクとのオープン戦(ヤフードーム)前に左ひじの強い張りを訴え、予定されていた登板を回避。試合前練習を終えると、チームを離れて緊急帰京した。今後は3日にも病院で精密検査を行い、2軍でリハビリを兼ねた調整を行っていく見込みで、20日の開幕に間に合うかは極めて微妙な情勢。守護神としても期待されていた左腕だけに、チームにとっても大きな誤算だ。

 開幕まで3週間を切り、今季でプロ29年目を迎える工藤が戦線離脱した。数日前から強い張りを覚えていたという左ひじ。前日には福岡・志免町のかかりつけの病院を訪れ、痛み止めの注射を打ったが、症状は緩和せず、この日の試合前に宿舎で潮崎投手コーチの部屋を訪ね、登板回避を申し出た。
 「試合で投げ続けて出てくる張りだったらいいんだけど、投げていないからね。いつ投げられるか?分からない。キャッチボールはしようと思ったらできるんだけど…」
 宮崎・南郷キャンプでは順調な調整を送ってきた。2月9日には初ブルペンで79球。紅白戦にこそ登板しなかったが、キャンプ最終日にはブルペンでは93球を投げ込んで締めくくり「達成度は70%くらい。あとは実戦で制球ミスなく投げられたらいい」と充実感を漂わせていた。
 しかし、予定されていた28日の巨人とのオープン戦(サンマリン宮崎)登板を寝違いによる首痛で回避。首痛は回復したものの、今度は左ひじの張りを訴えた。2試合連続で登板回避となり、渡辺監督は「それほどひどい状況ではないけど、下(2軍)で調整していくことになる」と2軍降格を決断。今後の見通しとして「教育リーグか、ぶっつけでオープン戦で投げるかも」と早期復帰に望みを託しながらも、3月20日の開幕については「分からない。一度は実戦で投げないと厳しい」と表情を曇らせた。
 工藤はこれまで「左ひじ変形関節症」で02年、さらに07年オフに左ひじ手術を行っている。特に復帰した08年には再び強い張りを訴えて、わずか3試合の登板に終わっているだけに、選手生命を考えれば慎重にならざるを得ない。工藤はこの日の練習後、緊急帰京した。
 チームでは工藤をストッパー候補の1人と位置付けてきた。グラマン、藤田も故障からの調整中で、確固たる守護神が不在のまま、開幕を迎える可能性が出てきた。

 ▼西武潮崎投手コーチ 痛みの程度は工藤さん本人じゃないと分からない。2軍でキャッチボールをしてみて、状態が良かったらブルペンに入る流れになると思う。

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2010年3月3日のニュース