“屋外の鬼”八木には経験とさすがの集中力!

[ 2010年2月26日 06:56 ]

 【日本ハム担当・松井いつき】

 キャンプもクライマックス。開幕ローテーション入りが濃厚な日本ハム・八木智哉投手(26)が25日、ロッテとの練習試合に登板。実戦3試合目の登板で最長の5回を投げ、3安打無失点と順調な仕上がりをアピールした。「疲労もあったし、万全な状態ではなかった。でも、低めに集められたし、ゴロが多かった」と手応えを話した。

 キャンプ終盤とあって疲労はピーク。シーズン中140キロ台をマークする直球も137キロが精いっぱい。それでも最大風速9・7メートルの強風が吹き抜ける名護で無失点に抑えたのは大きな収穫だ。中堅から一塁方向へ吹き抜けていく変則的な風向きにも「集中していて、気にもしなかった」と頼もしい。3回、先頭打者に中前打を許しても、けん制で刺すなどピンチをつみ取った。

 集中力だけでなく経験もある。新人王を獲得した06年以降、悩まされた左肩痛を克服して昨季は9勝をマーク。そのうち6勝を屋外球場で挙げるなど屋外での登板を得意としている。昨年5月の千葉マリンでは豪雨の中、5回コールドながらぬかるむマウンドでストッキングを上げながら完封。濃霧がたれ込めたKスタ宮城で完投勝ちしたこともあった。「昨年も雨とかいろんな状況で投げてますから」と苦笑いを浮かべるが、環境に左右されない八木の持ち味を存分に発揮したキャンプ最終登板だった。

 今季もダルビッシュや武田勝とともに貴重な先発左腕として期待を寄せられている。「走者を背負ってからの投球が課題」と満足はしていない。その視線は、連覇と日本一だけに向いている。

続きを表示

2010年2月26日のニュース