沢村賞 選考会は満場一致も登板数に注文

[ 2009年11月3日 06:00 ]

 <沢村賞選考事情>セから中日・吉見、巨人・ゴンザレス。パから西武・涌井をはじめ、日本ハム・ダルビッシュ、ソフトバンク・杉内、楽天・田中が候補に挙がった。

 その中で7項目の選考基準を唯一すべてクリアしたのが涌井。堀内氏から「数字的にレベルが低い。該当者なしもあり得る」の意見が出たが、投球回数(200以上)と完投数(10以上)をただ1人クリア(211回2/3、11完投)したことが評価された。昨年7項目クリアしながら落選したダルビッシュは終盤の戦列離脱がマイナス材料で、最終的に1年通じて数字を残した涌井で満場一致。ただ、土橋委員長は「登板数が30試合いかないのは少なすぎる。今の時代は投手を大事にし過ぎ」と注文を付けていた。

 ≪大もめの81年≫過去の沢村賞では、選考に関して議論を呼んだことがある。81年は江川が20勝6敗、防御率2・29。最多勝、最高勝率、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得しMVPにも選出された。受賞間違いなしとの下馬評だったが、18勝12敗の西本が受賞。当時の選考委員はマスコミ各社の運動部長で構成されており「アンチ江川」の風潮が影響したといわれた。翌年からプロ野球OBによる投票へと変更された。

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2009年11月3日のニュース