ダル ハム劣勢なら迷わず救援行く!

[ 2009年11月3日 06:00 ]

新千歳空港に到着し、出発ゲートに向かうダルビッシュ

 1勝1敗で迎える日本シリーズ第3戦は3日、舞台を東京ドームに移して行われる。第2戦で電撃復活した日本ハムのダルビッシュ有投手(23)は今後、スーパーサブとして起用される可能性が2日、濃厚となった。順番通りなら8日の第7戦(札幌ドーム)先発が有力だが、王手をかけられた場合の第5、6戦では救援としてスタンバイ。ここぞの場面でエースを起用する考えだ。この日は巨人、日本ハムともに東京ドームで公式練習を行った。

【日本シリーズ


 新千歳空港はフラッシュと大きな歓声に沸いた。前夜、劇的な復活を果たしたダルビッシュは、約500人のファンにもみくちゃにされながら決戦の地へ向かった。

 42日ぶりのマウンドとなった第2戦は6回7安打2失点。本調子ではないながら、気迫の投球でチームにシリーズ初勝利をもたらした。87球を投げ、痛めていた左臀(でん)部の反動が心配されたが、機内の通路で梨田監督から「体の張りはどうだ?」と聞かれた右腕は「多少張っているぐらいです」と笑みを浮かべた。その表情は、もう一度マウンドに上がれるとの“サイン”だった。

 梨田監督は「いつもと違う投げ方で体に張りが出ることを考えると、簡単には決断できない」と慎重だが、3年ぶりの日本一にはエースの力は欠かせない。そこで導き出した答えが“スーパーサブ”起用だ。ローテーション通りなら、3勝3敗でもつれた場合の第7戦先発が濃厚だが、福良ヘッドは「コンディションと今後の勝敗で変わっていく」と言及。仮に第3、4戦で連敗すれば、この時点で1勝3敗。巨人に先に王手をかけられた場合は、第7戦の先発を変更し、第5戦以降はロングリリーフとしてブルペン待機させる可能性を示唆した。

 体調が万全でないエースを救援に回すことはリスクも伴う。しかし、厚沢投手コーチは「いろんな意味でダルビッシュが残っているだけで相手にプレッシャーをかけられる」と“見えない力”にも期待する。

 もちろん、ダルビッシュも異論はない。昨年の日本シリーズでは西武・岸が先発と中継ぎでフル回転し、先のCSでは楽天・岩隈が先発後に中1日で中継ぎ登板したことに身震いした。この日は午後5時からのチーム練習を免除され、選手宿舎に残って半身浴とストレッチで休養に努めた。前日の試合後には「このシリーズが今季最後の試合。中継ぎでも何でも投げる」と言葉に力を込めた絶対エース。余力を残すことなどみじんも考えていない。

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2009年11月3日のニュース