唐川プロ初完封!19歳孝行息子が最高の贈り物

[ 2009年5月11日 06:00 ]

<ロッテ・楽天>プロ初完封で3勝目を上げた唐川侑己は母・澄枝さんにウイニングボールをプレゼント

 【ロッテ6-0楽天】ロッテの19歳右腕・唐川が、また歴史をつくった。自己最多133球の力投でプロ初完封。最後は渡辺直から宝刀スライダーで自己最多となる11個目の三振を奪って締めくくった。ロッテの10代では90年の前田以来19年ぶりの完封勝利でチームトップ3勝目。これで楽天戦4戦全勝とした鷲キラーは、少し照れながらウイニングボールを母・澄枝さん(51)に手渡した。

 「完封は最初から意識していました。投げるからには最後まで投げきりたいしゼロに抑えたい。いい母の日のプレゼントになりました」

 序盤からピンチの連続も慌てない。最速142キロの直球は球速以上に伸びがあり、軌道を左打者の外角に沈むよう改良したチェンジアップなど変化球も切れた。「球種が少ないし僕は使えない」という野球ゲームと現実は違う。今季から取り入れる右打者の内角へのスライダーも効果的に織り交ぜ、130キロ台前半の直球には意識的にシュート回転をかけて好調・楽天打線を翻ろう。何よりカウント0―2としたのが1度だけと抜群の制球力を支えに、最後までストライク先行の攻めの投球を貫いた。

 平成生まれ初勝利など昨季序盤は数々の記録で沸かせたが交流戦を境に失速。その反省から課題のクイック投法を克服したことで生まれた心の余裕は、練習にも表れている。言われるがままに消化していたメニューを、自分の判断でキャッチボールの球数を制限。8日のブルペンでも通常より約15球少ない47球にとどめるなど、疲れを残さない調整を心掛けている。練習でも試合でも無駄球を省けるのは抜群の制球力があってこそ。成田高時代に陸上のハードルを両足を開いたままくぐるトレーニングで培った柔軟な股関節が、安定した下半身を支えている。

 母の日に快投した孝行息子にバレンタイン監督は「ストライクを投げるのを恐れず、偉大な投手に育っていっている」と目を細めた。1年ぶりの完投に「疲れました。でも最後のハイタッチは気持ち良かった」と唐川。開幕からチーム随一の安定感を誇る19歳がエースと呼ばれる日は、そう遠くはない。

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2009年5月11日のニュース