駒大2位 逆転3冠射程59秒 9区濃厚エース窪田に託す

[ 2014年1月3日 05:30 ]

駒大2区・村山(左)は終盤失速したものの、区間2位のタイムで3区・油布にタスキリレー

第90回箱根駅伝

(1月2日 東京・大手町~箱根・芦ノ湖、往路5区間108キロ)
 出雲、全日本を制し10年度の早大以来となる3冠を狙う駒大は、5時間28分12秒で往路2位。2区の村山謙太(3年)が両脚にけいれんを起こすアクシデントも、4区・中谷圭佑(1年)が区間賞、5区・馬場翔大(2年)が区間3位と粘り、東洋大と59秒差で復路での逆転を狙う。2区は村山の他にも波乱続出。目立った実績のない早大・高田康暉(2年)が区間賞、山梨学院大はエノック・オムワンバ(2年)が右腓骨(ひこつ)疲労骨折で途中棄権した。

 監督車に乗った指揮官からは、何度も怒号が飛んだ。「速いよ、速いって!(ペースを)落とせって!!」。駒大・大八木監督の声も耳に届かないほど、2区・村山は飛ばした。5キロは予定していた14分30秒をはるかに上回る14分2秒。「あまり突っ込んでいるイメージはなかった。1時間6分台でいけると思った」と村山は振り返ったが、12キロ付近でアクシデントが発生した。

 両脚を拳で何度も叩き、一気にペースダウン。両太腿裏、両膝裏がけいれんしていた。「つなぐのにいっぱいいっぱいになってしまった。いい流れでタスキが渡せなかった」。1時間8分27秒の区間2位でまとめ、トップで3区につないだものの、出雲、全日本と連続区間新を出したランナーにとっては不本意なレース。大八木監督は「2区が誤算。速すぎるっちゅうのに…。あと1分はいけた」と手厳しかった。

 「あと1分」が、そのまま東洋大との差になってしまった。1年の中谷が4区で区間賞。「前半は抑えて後半にいこうと思っていた」。目立ちたがり屋のルーキーが快走し、山上りの5区を託された馬場も区間3位と堅実に走ったが、往路優勝に59秒届かない。「申し訳ない。復路の方々に少しでも楽に走ってもらいたかったのに…」と涙を流して悔しがる馬場を、大八木監督は「4、5区は粘った。馬場は頑張った」とかばった。

 ターゲットは10年度の早大以来、史上4校目の3冠。往路優勝での逃げ切りが理想だったが、59秒差を追う。「ウチとしてはギリギリのところ。微妙だな…」と大八木監督は言うものの、駒大にはエースが残っている。1万メートル28分7秒01の自己ベストを持つ窪田忍主将(4年)は、補欠から当日の区間変更で勝負どころの9区に投入される可能性が高い。「キャプテンがエースとしていい流れで渡してくれたら、勝負できる」と村山。過去6度の総合優勝のうち、往路2位からの逆転が4度。“お家芸”の逆襲が、夢を現実に変える。

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