伊藤美誠への風当たりの強さに違和感 どんな選択も尊重されていい

[ 2024年2月8日 15:02 ]

笑顔を見せる伊藤美誠(撮影・小海途 良幹)
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 パリ五輪の代表に入れなかった卓球女子の伊藤美誠(23=スターツ)が8日、五輪補欠には消極的な姿勢を見せた。

 約2年に及んだ五輪選考レースが1月の全日本選手権で終了。選考ポイントで1位の早田ひな(23=日本生命)と同2位の平野美宇(23=木下グループ)がシングルスの代表にまず決まり、団体メンバーの3枠目には15歳の張本美和(木下グループ)が強化本部推薦で選出された。

 伊藤は全日本のシングルスで6回戦敗退。シングルスの代表を逃した後、「団体戦に選出されても出るかは決まっていない」とコメントした。代表から落選後、初めての公の場となった8日の世界選手権団体戦(16日開幕、韓国)の代表公開練習では、五輪補欠について「東京五輪では早田選手が支えてくれて私も頑張れた」とした上で、「でも、私はリザーブというのは向かないと思う。いかないと思います」と話した。

 ネットなどでは、伊藤のコメントに対しての風当たりが強い。だが、選手ならまだしも、当事者ではない「誰か」が批判する必要はあるのだろうか。

 伊藤は世界選手権団体戦のメンバーには名を連ね、「目標は金だと思うし、私も出た試合に全勝という目標があります」と力を込めている。また、五輪補欠に関する言葉も、チームに同行してプラスの影響を与えられるかどうか、自己分析した上でのものだろう。

 世界のトップで戦うアスリートはみな、プライドが高い。また、プライドが高くなくては世界のトップで戦えない。強気な性格と歯に衣着せぬ言葉は伊藤の魅力の1つでもある。

 補欠に回ってチームをサポートするのも、異なる針路を選択するのも、その選手の生き方だろう。思いは尊重されていいはずだ。

 伊藤は今後の目標を「世界ランク1位」に設定した。「過酷で難しいことだと思うので、それをできたらいいな。五輪とは違って、一発の試合じゃない。積み重ねたものがそうなるので。そういう目標を立てました」。自らが信じる道を突き進む覚悟を示した。(元五輪担当・杉本 亮輔)

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