早大3位 “無名”高田が2区区間賞 エース不調救う

[ 2014年1月3日 05:30 ]

2区で競り合う明大・大六野(左)と早大・高田

第90回箱根駅伝

(1月2日 東京・大手町~箱根・芦ノ湖、往路5区間108キロ)
 エース大迫が不発でも、花の2区を制した高田の活躍で早大が踏みとどまった。号砲後から1万メートル27分38秒31の学生最高記録を持つ大迫が引っ張るレース展開。だが、10キロすぎに先頭集団の後ろに下がると、18キロ付近でのスパートについて行けず、まさかの区間5位。「自分のペースで行けるところまで行こうと。途中できつくなった」。米国で練習し、昨年12月20日に帰国したばかりで、万全とは言えなかった。

 ピンチを救ったのは初箱根路で2区に抜てきされた2年の高田だった。エースの失速にも「冷静に行こう」とすぐに前を走る明大を捉えると、12キロすぎには2位集団に追いついた。トップから49秒あった差を29秒まで縮め、区間賞を獲得。早大の2区区間賞は07年の竹沢健介(現住友電工)以来7年ぶりで「竹沢さんは憧れの選手。うれしい」と目を丸くした。渡辺康幸駅伝監督も「想定以上。2区以降立て直せた」と胸をなで下ろした。

 昨年は補欠でエントリー。7、8区で準備をしていたが不出場に終わり、ラップタイムをボードに書いて選手に見せるサポート役に回った。「悔しかった。高校でもメンバーを外れたことがなかった」。しかし、試合で結果を出せない。実力を引き出したのは大迫の助言。「楽に走れ」と言われると、1500メートルで自己新をマークして自信をつけた。竹沢とも練習し「速いペースで入れるようになった」。2人の偉大な先輩から背中を押され、大舞台で花開いた。

 3、4区も1年生が踏ん張り、往路3位。「僕はダメだったけど、他の選手が頑張って粘ってくれた。あすにつながる3位」と大迫。復路も若い布陣で臨む方針。エースからタスキを受け取った次世代エースらが先頭を追う。

 ▽最近の早大の2区区間賞 24・4キロに変更になった79年に瀬古利彦(現DeNA監督)が区間賞を獲得し、総合4位。翌年も2年連続で制し、総合3位だった。95、96年には渡辺康幸(現早大駅伝監督)が受賞。このときは23・0キロで、いずれも往路優勝で、総合はともに2位。98年には梅木蔵雄が獲得し、総合6位。02年には原田正彦が山梨学大のモカンバと同タイムの区間賞で、総合は3位。07年は竹沢健介が獲得し、総合6位だった。

 ◆高田 康暉(たかだ・こうき)1993年(平5)6月13日、鹿児島県出身の20歳。中1で陸上を始める。鹿児島実2年時の全国高校駅伝では最終7区を任され、区間賞を受賞する走りで初優勝に貢献した。12年に早大入学。1メートル70、54キロ。

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