伊藤監督、見てくれましたか 九国大がサヨナラで今季初勝利 昨年10月に亡くなった恩師に捧ぐ1勝

[ 2024年4月15日 07:00 ]

九州六大学野球春季リーグ2回戦   九国大6ー5西南学院大(延長10回タイブレーク) ( 2024年4月14日 )

<九国大・西南大>延長10回サヨナラ勝ちの九国大はベンチから飛び出して大喜び
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 九国大が亡き恩師に手向けの今季初勝利を挙げた。九国大は同点のタイブレーク延長10回1死二、三塁に暴投で6―5のサヨナラ勝ち。昨年10月に亡くなった伊藤健治前監督(享年72)にチーム一丸の競り勝ちをささげた。

 天国の恩師のためにも連敗はしない。九国大が接戦を粘りで制した。もつれにもつれて迎えたタイブレーク。守りで魅せたのは左翼・和久田拳祐(4年)だ。10回2死満塁から左翼線の痛烈ライナーをダイビング好捕し「左打者の打球は切れていくので準備していた」。抜ければ走者一掃の痛打をもぎ取った。この美技が効いてその裏1死二、三塁から相手の暴投でサヨナラ勝ち。開幕戦に敗れた鬱憤(うっぷん)を晴らした。

 92年から22年まで同校を率いて23回のリーグ優勝を果たした伊藤前監督が昨年10月、心筋梗塞で亡くなった。葬儀にチーム全員が参列し「常に立ち向かう気持ちと集中力の大事さを教わった」と綱分要主将(4年)は頭を下げた。

 7回に貴重な適時打を決めた捕手・栗下雅暉(4年)も「伊藤さんも捕手出身だからリードなど教えてもらった」と感謝する。昨秋5位からのリベンジVへ一丸。「優勝して伊藤さんに恩返しがしたい」。綱分主将の思いはナイン全員の思いでもある。
 (中島 泉)

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