阪神・才木 116球熱投で連敗止めた 成長求めて開幕前日に千葉へ「日帰り修行」 進化示した今季初星

[ 2024年4月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2ー1中日 ( 2024年4月14日    バンテリンD )

<中・神>7回、ピンチの場面で山本を空振り三振に抑え、吠える阪神・才木(撮影・椎名 航)
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 こん身の直球が捕手のミットに収まると、才木は、この日一番の声量で吠えた。1点勝ち越した後の7回2死一、三塁で投じたのは、149キロの直球。2回に適時打を浴びた昨年までの同僚・山本を空振り三振に斬った。

 「先頭の中田さんに二塁打を打たれてから、ちょっと気持ちが入った。久々のピンチだったので気持ちで負けないように投げた」

 2回に先制を許しても「(打たれた)フォークが悪かったわけではない」と割り切って2点目を与えない投球へ切り替えた。武器であるフォークを中日打線に見極められる苦況でも、今季精度の増したスライダー、カーブを効果的に使い、最速151キロの直球を主体に7回まで最少失点で終えた。

 相手先発は自身と同じ右肘のじん帯再建手術経験者の中日・梅津。「めちゃくちゃいいピッチャーなので。トミー・ジョン(手術)もしていますし。なかなか点が入りづらい展開になるかなと思っていた」と8回13奪三振の快投を演じた右腕との投げ合いも活力に腕を振った。

 高卒8年目の26歳は「投手」という職業を極めることに全てをささげる。開幕前日、東京ドームでの全体練習を終えると急ぎ足でタクシーに乗り込んだ。

 「今から千葉に行ってこうようと思って。一回、行ってみたかった場所なので」

 向かったのは多くのプロ野球選手も利用する、千葉県にある動作解析の専門施設。高性能の測定器と専門スタッフによる詳細な分析で投球フォームにおけるデータや数値のフィードバックが得られることで有名だった。

 「体の連動性とかは自分が思っていた以上に良かった。あとは回旋とか(フォームの中で)前に行く動きの切れを出せれば。行って良かったです」。自身のシーズン初登板を3日後に控える中でも、最高の投手になるための努力を怠らない。

 「あまり連敗というのは気にして投げたことがない。(チームが)いい雰囲気で甲子園に行ってくれたらいい」。苦しむチームの流れを変えうる背番号35の、今季最多116球の力投だった。 (遠藤 礼)

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