虎党どよめき 岡田阪神、腐心の打順大改革で5試合ぶり1勝 8番・中野が決勝打

[ 2024年4月15日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2ー1中日 ( 2024年4月14日    バンテリンD )

<中・神> 7回2死二塁、阪神・中野は勝ち越し適時打を放つ(投手・梅津)(撮影・大森 寛明)
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 阪神・岡田彰布監督(66)が14日の中日戦(バンテリンドーム)で大幅な打順変更を断行した。1、2番に木浪、梅野、クリーンアップに近本、佐藤輝、大山を起用。野手8人中、6番の前川を除く7人を新打順に据えた。決断は奏功し、21年7月14日以来の8番に入った中野拓夢内野手(27)が、1―1の7回2死二塁で決勝の右前適時打。“降格”に燃える一撃で、引き分けを挟んだ連敗を「3」で止めた。

 セ5球団との対戦が一回りする開幕15試合目、波に乗れない打線を鼓舞すべく岡田監督が一つの勝負手を打った。左翼席のどよめきも呼んだ、打順の大幅改造。近本、中野に始まり、森下、大山、佐藤輝の中軸から下位へ流れる「日本一オーダー」を大胆にシャッフル。12日のカード初戦でも6番に座った前川を除き、野手7人が今季初の打順だった。中でも中野は2番から8番へ。“降格”の意味合いが強い措置に、選手会長は静かに燃えた。

 「監督も何かを変えないといけないと思って、打順を入れ替えたわけなので。打順がどうであれ、自分のやるべきことは変わらない。うまくいかない打席が続いていたので、気分転換になった」

 0―1の3回1死で迎えた第1打席に、11打席ぶりの快音となる左前打。ここから2番・梅野の同点打が生まれた。7回2死二塁の勝ち越し機では、右翼・細川の前に落とす決勝打。バットの先だったが執念で運び、シビれる右手に顔をゆがめながらも一塁塁上で胸を張った。「才木が粘りながら頑張って投げていたので、何とか点を取ってあげたかった」。4安打で15三振と、打線は本調子ではない。その分、中野は上がり目を感じている。

 「チームの現状は良くないと思いますけど、きょうの接戦をモノにできたところから雰囲気も良くなってくると思う。何とか打撃陣が投手を楽にできる展開をつくっていきたい」

 38年ぶりの美酒を浴び、オフはテレビ出演や表彰式に引っ張りだこ。「うれしいことですが、丸一日ゆっくり休める日がない」。ただ、言い訳にはしなかった。12、1月は寸暇を惜しんでトレーニング。春季キャンプでは2日に一度、早出練習で自主的にサブグラウンドを走り、一年間戦い抜く体力を蓄えた。例年にない走り込みは、連覇を期す「勝負の秋」を見据えているから。まだ15試合。下を向くのは早すぎる。

 「なかなか点が取れない時もある。そういう時に勝ち切ることが大事。まずは守りから。こういう接戦をものにできればいい」

 あす16日から、開幕カードで負け越した巨人を甲子園に迎える。宿敵へのリベンジはそのまま、虎の急浮上へとつながる。(八木 勇磨)

 ○…阪神は打順を大幅に入れ替え。過去に一度もない組み合わせで、今季4度目となる6番起用の前川以外の野手7人が今季初の打順となった。4番・佐藤輝、5番・大山の組み合わせは22年9月4日の巨人戦以来。その次戦、6日のヤクルト戦から続いていた大山の先発4番起用は173試合、ポストシーズンを含めると189試合でストップした。

 ○…阪神は今季最多の15三振。昨季も6月5日ロッテ戦の16三振、同28日中日戦の15三振があったが、どちらも延長回を含めた15三振以上。9イニングでの到達は21年8月29日、広島戦の16三振以来3年ぶり。岡田阪神では07年8月25日の中日戦で16三振して以来になる。

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