【落合×福本豊対談】足と守備を期待された男が西本幸雄監督の指導で打撃が開花「びっくり」

[ 2024年4月15日 17:35 ]

対談後に記念撮影をする落合博満氏(左)と福本豊氏(撮影・大城 有生希)
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が15日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回目として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏(76)をゲストに招いて対談を行った。

 身長1メートル69センチと小柄で線も細かった福本氏はプロ入り後に先輩選手からプロでやっていけるか不安視されたことを明かした。「阪急入っていきなり先輩が“おい、おまえ。スカウト誰や?大丈夫か?”って。僕細いでしょ。まず、やれるか、練習についていけるのか。そんなプロでやる体やないし。細いし。66キロくらいやったんで、(先輩も)“ええ、大丈夫かな”っていう感じ」とエピソードを明かした。

 福本氏は「先輩に山本公士さんいう守備とランナーの人がおられて、その人の代わりに俺がなったらええなという感じやったらしい。レギュラーでバリバリやる、そういうのはなしにそういうパーツでええなという感じやった」と当時の評価を振り返った。「それが先輩の故障でたまたま試合で使ってもらって、そこからスッといったみたいな感じ」とチャンスを生かして出場機会をつかみとったことを明かした。

 落合氏は「当時の監督は西本(幸雄)さん?」と質問。福本氏は「西本さん。西本さんは細かい指導してもらってないんですけども。あそこで打ってる阪急の大熊(忠義)さんであるとか、森本(潔)さんであるとか、そういう人たちの格好を見て、“おいフク、あの格好で振れるように来年なってこい”ってシーズンが終わってね。こうやって、ああやってって指導されたのは“バットは手で、腰で振って。バットの先持ってトリャー。クッ”ってやられて。“手でやったらいかへんやろ。腰でバットを振るんや”。大熊さんとか森本さん、先輩が振っている格好。“ほら、ああいう格好にみんななる。良い形言うたらおかしいけど、打つとそういう格好になるんや。人間の体の理に逆らったら駄目や。こういうふうになったら体は勝手に使えるから」と当時の指導を振り返った。

 西本監督の指導を受け、福本氏は「オフの間に家でバット振っとけ”って言われた通りに。昼間は魚釣りしててね、練習は夜でええわ、寝る前でええわと思って鏡を見ながら、こういう格好で。三角形じゃないけど、そういう格好。高いところのスイングだけをしてましたね」と当時の練習法を明かした。

 オフに西本監督の助言を守り、練習したおかげで打撃が開花した。「それで、次の年いったら打球が変わってしもうて。コーンっと打ってる本人がびっくりして。それで監督が“おまえ、誰に教えてもろたんや”それがもうずーっと監督が引退してからでも“おまえはあの時は誰に教えてもろた”って。いや、監督や。信用せんかった。監督が“ここはこういう格好で振れ”言ったから僕はオフの間にガラスを鏡にして振ってたんですよ。木の葉っぱをボールに見立てて、バットをポンと使うところを見ながら高いところ、アウトコース、ここの高いところを振ってました。(左の)肩が下がることもなく、そういう格好でいつも打ってたら捉える確率が高くなるやろうからそれでやったら間違ったわけです。自分で打った本人はポーンってライトにストーンいくから自分でびっくりしたもんね」と西本監督ら周囲だけでなく、自身でも驚くほどの急成長だったという。

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