内川聖一は、なぜ、故郷・大分で現役続行の道を選んだのか ソフトBなどで通算2186安打の安打製造機

[ 2023年3月8日 06:00 ]

キャンプでは若手選手へのノックも買って出ていた大分B―リングスの内川聖一
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 ヤマエグループ九州アジアリーグは18日、大分B―リングス―火の国サラマンダーズ(リブワーク藤崎台)と北九州下関フェニックス―宮崎サンシャインズ(都城)で開幕する。注目は大分に新加入した内川聖一内野手(40)だ。史上2人目の両リーグ首位打者など横浜(現DeNA)、ソフトバンク、ヤクルトで通算2186安打を放った安打製造機は、なぜ、故郷・大分で現役続行の道を選んだのか。開幕前にその思いを聞いた。(取材・構成=福浦 健太郎)

 ――NPBでは一線を退いたが、このような形で故郷・大分に帰ってきた。
 「子供の頃に見て、プロ野球選手ってかっこいい、プロ野球選手になりたいと思って頑張れた。僕らが先輩たちに頂いたものは、今の子供たちの世代に受け継いでいきたい。もらったものを自分だけのもので終わらせてはいけないと思いました」

 ――どんなシーズンにしたいか。
 「個人的にはNPBを目指す選手もたくさんいると思いますし、ドラフト指名され、NPBに入りますというニュースを届けられればいいと思う。自分がプレーするだけでなく、若い選手の支えにもなっていけたらいいなと思っています」

 ――チームとしての目標は優勝に置く。
 「優勝というのは、GMはじめ監督もミーティングでも確認されていた言葉だったので。やるからには優勝したいと思って始めないとうそだと思う。1、2年目の選手が多いので(優勝へは)相当、頑張らないといけないと思っています」

 ――若手とは親子ほどの年齢差もあるが、触れ合ってみて?
 「最近の若い選手からすると“内川さんはゲームの中の人です”と言われる。“パワプロですげえ、カーソルが広いんですよ”って(笑い)。そうなんだって。面白いですね」

 ――全体練習後、ノックを打ったり、積極的にコミュニケーションを取っている。
 「僕が様子をうかがっていたら、向こうも心を開けない。バンバン、教えるというより、必要とされる場面で(指導を)できればいいなというくらい。ノックも裏方さんが打っていたら、自分が代わっただけ。よっしゃ教えたるというのではないですね」

 ――プレーヤーとしてはどんな準備を?
 「やろうとしていることは、昨年までと何も変わりはないと思っています。キャンプで土台をつくる部分、量をこなさないといけないこともそう。僕はどちらかといえば打つ方で選手としての立ち位置を築いてきた。いい形でバッティングを見せられたらと思うし、うまいプレーはできませんけど、守備でも一生懸命やっているなと見てもらえるプレーをしたい」

 ――やはり、大分の水は合う?
 「自分が生まれ育った土地でもう一度、野球ができるのは、わくわくしている。自然と大分弁が出ているみたいです(笑い)。プレーヤーとして期待してくれる人もたくさんいる。グラウンドで元気な姿を見せられればいい」

 ――今季、大分では気軽に「内川聖一」のプレーを見られる。
 「僕がプレーすることで(試合を)やっているんだなと思ってもらえれば、球団のためにもなる。今まで気にしていなかった人が、今度、いつだろうと思ってもらえる。時間があれば行ってみようかと思ってもらえるように、やらなければならないと思う」

 ――出場はホームでの試合が中心。
 「ほかの仕事も兼ねないと、現役終わった後のことも少しずつ、準備しないといけない。大分としてもそれ(ホーム限定出場)で十分と言ってもらえた。ホームというところはきちんと試合に出ると最低限、決めておいて、ビジターも出られれば全然、行くつもりではいます」

 ――解説などとの“二刀流”は多忙だ。
 「僕は忙しくないと嫌な人なんで。与えてもらえるのは喜びでもあります」

 ◇内川 聖一(うちかわ・せいいち)1982年(昭57)8月4日生まれ、大分県出身の40歳。大分工から2000年ドラフト1位で横浜(現DeNA)入り。11年にソフトバンクへFA移籍し同年パ・リーグMVPに輝いた。18年5月9日西武戦で通算2000安打達成。首位打者、最多安打各2度、最高出塁率1度、ベストナイン5度。09、13、17年WBC日本代表。1メートル84。右投げ右打ち。

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