落合博満氏 10ゲーム差からの大逆転シーズン連覇「絶対優勝するつもりで計算立てたもん」

[ 2023年3月8日 17:10 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が8日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。最大10ゲーム差をひっくり返した2011年シーズンのリーグ連覇を振り返った。

 この年、監督就任以来初めて負け越しで球宴を迎える。8月3日の時点では借金5で首位のヤクルトとは最大の10ゲーム差に広がり、4位に位置していた。

 「普通諦めるよな。いや、絶対優勝するつもりでやってたよ。で、計算は立てたもん」

 東日本大震災の影響もあり、中止になった日程も計算。中止の試合にヤクルト戦が多かった。直接対決を多く残し、落合氏に勝算はあった。

 8月終了時点で首位のヤクルトまで2・5ゲーム差の3位と射程圏内に入れた。9月に入り、22日に落合監督の退任が発表されると、球団幹部の「ガッツポーズ事件」でくすぶっていた闘志に火が着いた。

 退任発表翌日の9月23日のヤクルト戦では荒木が禁止のヘッドスライディングで勝ち越しの生還。「『もう監督辞めるんだから怒られることもないだろう』っていうんで。何がなんでも優勝するっていうのがあの一件(ガッツポーズ事件)以来じゃないのかな」とナインの変化を感じていた。

 10月6日に5連勝で首位に立ったが、マジック2で迎えた同14日からの巨人3連戦は3連敗を覚悟した。それほど満身創痍(そうい)の状態だった。森繁和投手コーチと話し合って初戦の先発に抜てきしたのはドラフト1位ルーキー・大野雄大。プロ初登板だった。「ダメ元で大野(雄大)を先発させて。良い目に出るか 悪い目に出るか」とマウンドに送ったが、4回7失点と炎上した。

 その試合でも「事件」が起きる。ある選手が試合中に中日ファンから「優勝する気あんのか」と罵声を浴びたという。「こんなに頑張ってるのに」と憤りをあらわにしたナインに落合氏は「この試合のやり方だったらオレでも怒るぞ」と冷静に声をかけた。

 巨人には予想どおり3連敗を喫したが、移動日を挟んで18日の横浜(現DeNA)戦で球団史上初のリーグ連覇を成し遂げる。開幕から142試合目に引き分けての優勝決定で、落合政権下で中日は負けて優勝、勝って優勝、試合がない日に優勝、引き分けで優勝を経験。落合氏は「全部のパターンを経験したっていうのはそうはいないんじゃない」と笑って振り返った。

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2023年3月8日のニュース