ソフトB野村勇の弟・工 同点&ダメ押し2発で鷺宮製作所大勝導いた 「長打力だけは負けない」

[ 2023年3月8日 04:30 ]

JABA東京スポニチ大会第2日Dブロック   鷺宮製作所16-1ジェイプロジェクト ( 2023年3月7日    神宮 )

<鷺宮製作所・ジェイプロジェクト>7回、鷺宮製作所・野村がこの試合2本目のソロを放つ(撮影・村上 大輔)
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 予選リーグ8試合が行われ、神宮では全3試合でプロ野球選手の弟が活躍する「弟祭り」となった。今秋ドラフト候補でもある鷺宮製作所・野村工(たくみ)外野手(24)は2本塁打を含む4安打6打点と大暴れ。トヨタ自動車の最速150キロの新人右腕・細川拓哉投手(22)も2回を無安打無失点と活躍した。予選リーグ最終日のきょう8日も8試合が行われ、決勝トーナメント進出のチームが出そろう。

 野村にとってソフトバンクでプレーする2学年上の兄・勇は、昔から絶対的な存在だった。取るに足らないことで何度も殴り合いのけんかに発展。小学校高学年まで続き、一度も勝てなかった。兄は野球の才能にも恵まれてプロ野球選手に。同じ舞台を夢見る弟にも武器がある。スピード、守備力は遠く及ばないが「長打力だけは負けない」と力を込める。

 兄と同じ身長1メートル75だがトレーニングで屈強な肉体をつくり上げ、体重は兄より1キロ重い84キロ。右の長距離砲として名門の4番を担う。1点を追う2回先頭で直球を捉え左翼に同点ソロ。7回はスライダーを左翼席に運び、2発を含む4安打6打点を記録した。まるで前夜に2アーチを放った侍ジャパンの大谷のような活躍。幡野一男監督も「凄い。チームの柱なので頼もしいです」と目を細めた。

 今も兄に勝ちたい気持ちは変わらない。鹿児島で実施した2月の春季キャンプ。休養日には兄がいるソフトバンクの宮崎キャンプを見学した。新人だった昨季に球団新人最多タイの10本塁打を放ち、ギャルピースをまねた「勇ちゃんピース」でもアピールした兄は、さらなる飛躍を目指して一流選手らと必死に汗を流していた。その姿を目に焼き付け、気持ちを高めて迎えた今年初の公式戦となる今大会。「いつも家族の話題が兄ばかりなので、自分も良いニュースを届けたい」と誓った。

 覚悟の3年目。野村は「プロに行きたい気持ちは変わらない。去年より圧倒的な成績を残さないといけない」と見据える。久しぶりの「兄弟げんか」は、プロの舞台で行うと決めている。(柳内 遼平)

 ◇野村 工(のむら・たくみ)1998年(平10)8月14日生まれ、兵庫県出身の24歳。日本航空石川では甲子園出場なし。東都大学野球リーグの拓大では2歳上の兄・勇(現ソフトバンク)と2年間チームメート。鷺宮製作所では21年に東京ガスの補強選手として都市対抗初出場。昨年に初出場の日本選手権では兄の古巣・NTT西日本戦で本塁打。1メートル75、84キロ。右投げ右打ち。

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