日本ハム・近藤が逆転サヨナラ弾「野球の申し子」29歳誕生日に自ら祝砲「気持ちいいですね」

[ 2022年8月10日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム5ー3西武 ( 2022年8月9日    札幌D )

<日・西>9回、バースデーアーチとなるサヨナラ3ランを放った近藤(撮影・高橋 茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムは9日、首位の西武を相手に逆転サヨナラ勝利を飾って2連勝。1点を追う9回に無死一、二塁のチャンスをつくり、この日が誕生日だった近藤健介外野手(29)が右翼ポール際に劇的弾を運んだ。母校の横浜高も夏の甲子園で初戦を突破。依然としてチームは最下位に沈んでいるが、真夏の聖地で熱戦を繰り広げている球児たちのように、ひたむきな姿勢で白星を重ねていく。

 29歳の誕生日を締めくくったのは自身初となるサヨナラ弾。あまりにも出来過ぎた物語に、数々の修羅場をくぐり抜けてきた近藤自身が一番震えていた。

 「気持ちいいですね。足が震えて、手が震えて、興奮して…。頭が真っ白になりました。横高も(甲子園で)勝ったし、最高の誕生日になりました」

 野球の日に生まれた「野球の申し子」が、チームに今季4度目の劇勝を呼び込んだ。

 母校・横浜がこの日の甲子園の第1試合で三重に4―2で勝利した試合をテレビ観戦。気分良く迎えた一戦だった。1点を追う9回は帝京出身の杉谷と早実時代に111本塁打を量産した清宮と、いずれも甲子園を沸かせた2人が連打で好機をお膳立てしてくれた。直前の7回に一ゴロ併殺打を放っており「正直、バント(のサイン)を出してくれと思っていた」と弱気になっていたが、三塁コーチの稲田内野守備走塁コーチに呼び寄せられ「“打て”だから思い切り」と耳打ちされ「ボスも信頼して打てだと思う」と奮起。ストライクゾーンに来た球は全て強振し、3スイング目を弾丸ライナーで右翼席に突き刺した。

 新庄監督は1点を追う5回1死三塁では万波にスクイズ、6回無死一塁では今川にヒットエンドランのサインを出すもともに失敗。9回の好機は「サインなし」で近藤に託したことが奏功し「僕の2つのミスを帳消しにしてくれた」と感謝した。今季チームは“トライアウト”として1軍生き残りを懸けた戦いが続くが、近藤については「やっぱり安定感がある。何かしてくれそうな雰囲気がある」と一目、置いている。

 29歳の抱負を問われ「若い選手ばかりなので、こういうふうに結果、行動、生活でしっかり引っ張れるように」と誓った選手会長。チームは最下位に沈むが、高校球児のようにひたむきに戦い、ファンに一つでも多くの白星を届ける。(東尾 洋樹)

続きを表示

2022年8月10日のニュース