最後はカージナルス、ドジャース、パドレスの3球団、ESPN記者がソト・トレードの内幕をレポート

[ 2022年8月10日 12:47 ]

 スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサン記者が9日、フアン・ソトのトレードの内幕を詳しく報じている。

 ソトは今年初め、ワシントン・ナショナルズに長くいることを想定して、彼自身初めての家をDCエリアに購入した。そこに4月地元紙が、ナ軍のオーナーが球団売却に動き始めていると報道。ソトのスコット・ボラス代理人はこれでトレードの可能性が出てきたと本人に伝えたという。なぜなら、オーナーの頭にあるのはいかに良い値段でチームを売るかで、ソトと大きすぎる契約を結び、それが負担になると買い手が感じれば、球団の値段に影響するかもしれないからだ。

 ナ軍はすでにソトに何度も契約延長を提案していた。20年の2月に1億1000万ドル、21年11月に13年/3億5000万ドル、22年6月に15年/4億4000万ドル(約594億円)。この4億4000万ドルは総額としてはMLB史上最高だが、年平均にすると2930万ドルにすぎず、マックス・シャーザーが昨オフ、メッツと合意した年俸4330万ドルよりはるかに少ない。ゆえにソト側は首を縦に振らなかった。

 マイク・リゾGMは6月1日に地元ラジオで「トレードはしない」とコメントしていたが、いよいよトレードの可能性を探らないといけなくなった。それをしないとGMとしての任務を放棄したことにもなる。7月になりナ軍はトレード相手を割り出した。ドジャース、ヤンキース、カージナルス、パドレス、マリナーズ、レイズ、レンジャーズ、ブルージェイズである。ただトレードに出すと表明はしていない。手の内を明かさないほうが交渉は有利に進む。

 16日、ソトが4億4000万ドルのオファーを断ったことがニュースとして報じられた。この頃からトレードの動きが本格化。リゾGMは部下たちに各球団の若手有望株を見に行かせるとともに、交渉相手に交換条件が6人のトップクラスの有望株、または6人の有望株+メジャーリーガーと伝えている。7月の最終週、カージナルス、ドジャース、パドレスの3球団に絞られた。しかしながら、交渉相手もまだソトだけにコミットしたわけではなかった。例えばパ軍はエンゼルスに大谷翔平について打診するともに、カブスとウイルソン・コントレラス捕手について話し合っていた。

 パ軍のAJ・プレラーGMにとっては苦い思い出があった。1年前、当時ナ軍にいたシャーザー投手の獲得に動いたが、リゾGMはCJ・エイブラムス、ロバート・ハッセルを要求、プレラーはともに断った。結果的にシャーザーはトレー・ターナーとともにド軍に移籍。パ軍はその後負けが込み、ペナントレースは惨敗。監督は解雇。同じ轍は踏みたくない。トレードデッドラインまでの時間が3桁から2桁になり、プレラーGMはたくさんの若手有望株を放出してでもソトを取る覚悟を固めた。その時点でカ軍は外れている。

 ド軍も近年、ダルビッシュ有、マニー・マチャドら大型トレードを成立させてきたが、今回のリゾGMの要求はのめない。一方パ軍はトップクラスの有望株を出すことなく、ブルワーズからクローザーのジョシュ・ヘイダーを獲得。残り24時間を切り、ド軍も可能性がないとわかった。交渉は最終段階。当初は4対1でソトをという話だったが、リゾGMがハーリン・スサナ投手も加えて欲しいと要求。ベテランで今季打撃成績の良いジョシュ・ベル一塁手はいらないかと提案した。そして最終日、東海岸時間の午前2時に合意している。トレード成立はソト本人には2日の午前中に知らされている。

 リゾGMは「できることはやった。殿堂に入る選手を23歳で失ってしまったけど、これでチームの再建を早めるこができる」と語っている。パッサン記者は、ソトはいずれMLBで初めて5億ドルの契約を手にする選手になるが、その相手はパ軍かもしれない、すでにフェルナンド・タティスとマニー・マチャドに6億4000万ドルを投資しているが、ソトで10億ドルを越えることも受け入れるだろうと結んでいる。

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2022年8月10日のニュース