侍J青木 流れ止めた好捕&流れ呼んだ一打 現役メジャーさすがの存在感

[ 2017年3月8日 05:30 ]

WBC1次ラウンドB組   日本11―6キューバ ( 2017年3月7日    東京ドーム )

<日本・キューバ>4回1死、サーベドラの打球を好捕する中堅手・青木
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 打っても凄い。守ったら、もっと凄い。侍ジャパン・青木がそのプレーで、自身の存在意義を証明した。「入れっ!」。3回1死三塁。アヤラの右中間最深部への大飛球を懸命に追った。ジャンプ。フェンスに体をぶつけながら夢中でキャッチ。犠飛で1点を失ったが、流れを食い止めた。

 「必死だった。とにかくグローブに入ってほしかった。最後は土手だったけど…。プレーで引っ張りたかった」。4回にもサーベドラの飛球に背走。グラブを伸ばし、捕球するなりグラウンドに倒れ込んだ。マリナーズに所属した昨季、スタメンは左翼88試合で中堅は14試合。それでも打球への1歩目の飛び出しなど、抜群の反応を見せた。

 「Prove yourself right(自分の正しさを証明しろ)」――。試合前のミーティング。青木は選手に、自身がプレーする際にモットーにしている言葉を伝えた。昨季、マ軍の同僚・カノが口にしていたもので「チームを鼓舞する時に使っていた。自分もマイナーに落ちたり、苦しい時もあったけど、その言葉に救われた」と青木。己の強い気持ちとともに、自分の正しさを試合で証明する。スーパーキャッチ2連発。そこには、チーム唯一のメジャーリーガーとしての誇りが満ちていた。

 「みんな強い気持ちで自信を持ってプレーしていた。タフな試合だったけど、勝てたしいい試合だった」。打っては初回2死から左越え二塁打。筒香の右前打で先制のホームを踏んだ。09年WBCで8打数5安打だったキューバキラーは攻守で健在だった。3番として初回に二塁打を放ったのは、世界一に輝いたその09年の初戦(中国戦)と全く同じ。吉兆の快打と好守で、青木が侍ジャパンを最高の船出に導いた。 (鈴木 勝巳)

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