【侍Jライブ解説・石井一久氏】<7回>中田さすがの一発 接戦での継投に注目

[ 2017年3月8日 21:44 ]

<日本・オーストラリア>7回無死、左越えにソロ本塁打を放ち、祝福を受ける中田
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は8日、東京ドームで第1次ラウンドB組の日本代表がオーストラリアと対戦。侍ジャパン第2戦をスポニチ評論家の石井一久氏がライブ解説します。

▼試合速報
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【7回】<中田の左越えソロで勝ち越し。千賀2イニング目も好投>

 中田はさすが打点王という一発。特に走者がいない時は思い切ったスイングができる。変わったばかりの投手で、当然データもあったと思うが、そういうのを関係なしに初球から自分のスイングができるのが強みだ。

 千賀は6回同様に直球主体の投球。たまに投げるフォークがその打者だけでなく、次の打者にも印象づけているので、真っすぐで差し込めている。残り2イニング。この先もクロスゲームは必ずある。世界一奪回には接戦を勝ちきらないといけないので、ここからの継投が見物だ。

【6回】<菊池、青木、筒香で3者凡退。投手は岡田から3番手・千賀へ。走者許すも3つの三振を奪う>

 3番手の千賀は無駄にフォークに頼らず、真っすぐで主導権を取れているのがいい。真っすぐが効いているので、いいところでフォークが使える。この後の継投をどうするのか。膠(こう)着状態の時は、こっちから動く必要はない。球数制限という問題はあるが、7回も千賀でいいのではないか。

【5回】<無死一、三塁の好機。相手投手交代後、松田の犠飛で同点に追いつく。菅野は1死一、二塁の場面で2番手・岡田に交代。岡田は満塁のピンチを招くも併殺で切り抜ける>

 菅野は球数制限に達しての交代となったが、この回になって、スライダーのブレーキがやや甘くなっていたので、球数を費やしてしまった。ただ、安定感はさすがだった。この場面で救援した岡田は、マウンドで少しびびっているように見えた。同じ左腕なら宮西もいるが、ブルペンでスタンバイしていなかった。左打者へのワンポイントなら岡田でもいいが、2人、3人投げるなら、宮西の方が経験が豊富だ。左では松井裕がいるだけに、宮西は早めのイニングの大事な場面で投入できる準備をさせておいた方がいいのではないか。結果論では言いたくないが、結果論としてはピンチを切り抜けたので、岡田で良かった。

【4回】<またまた3者凡退で日本は12人連続アウト。菅野は粘投>

 菅野は1死二塁と得点圏に走者を背負って、ストライクゾーンへのフォーカスが一つ高まった。ケネリーの見逃し三振は、スライダーに的を絞っている相手の裏をかいた内角球。続く左打者のウェルチには、決め球は絶対にバットに当てさせないというワンバウンドの縦のスライダー。2つとも三振の取り方がいい。コントロールに細心の注意を払いながらも、球に力があった。

【3回】<日本は2イニング連続3者凡退も、菅野が相手打線を3者凡退に抑える>

 アサートンは角度があって、やはり真っすぐに力がある。日本の打者は捉えたと思っても、自分のミートポイントよりわずかに差し込まれている。山田の左飛もそうだった。とにかく真っすぐに力負けしないこと。真っすぐに強い松田あたりに期待したい。

【2回】<坂本、鈴木、松田は3者凡退。菅野はデサンミゲルに先制ソロを許す>

 菅野は懸念していた右打者への甘いスライダーを本塁打されてしまった。初回はもう一つ低く決まっていたが、あの場面は高かった。逆に言えば、オーストラリア打線が打てるのは、右打者のあのコースだけ。左打者には内角にいい真っすぐで突っ込めているので、心配はない。右打者への失投だけが怖い。

【初回】<1死二、三塁。絶好の先制機も4番・筒香が空振り三振、5番・中田が三ゴロで無得点。先発・菅野は無失点と安定した立ち上がり>

 オーストラリア先発のアサートンは球が高いが、あの高さに行けば、筒香を空振りさせるだけのパワーはある。あとは、ドローンとした大きな縦のカーブが特徴。序盤はそのカーブをためて打つのか、あるいは高めの直球に力負けしないように狙うのか、その見極めがポイントになりそう。

 菅野は調子の良さを示すように、しっかりコントロールできている。怖いのは、右打者へのスライダーが抜けて半速球のになった時ぐらい。それほどスキがない立ち上がりと言っていい。

 ▼日本代表先発 1番・DH 山田、2番・二塁 菊池、3番・中堅 青木、4番・左翼 筒香、5番・一塁 中田、6番・遊撃 坂本、7番・右翼・鈴木、8番・三塁 松田、9番・捕手 小林、投手 菅野

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