【スノーボード】男子ビッグエア初メダルが金1号!木村葵来は“ニュータイプ”の五輪王者

[ 2026年2月9日 05:30 ]

スノーボード男子ビッグエア決勝 ( 2026年2月7日    リビーニョ・スノーパーク )

<ミラノ・コルティナ五輪 スノーボード男子ビッグエア決勝>3回目のジャンプを決め雄叫びを上げる木村葵来(撮影・小海途 良幹)
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 スノーボード男子ビッグエア(BA)決勝は7日、リビーニョ・スノーパークで行われ、木村葵来(きら、21=ムラサキスポーツ)が計179・50点で、今大会日本人初の金メダルを獲得した。2位には計171・50点で木俣椋真(23=ヤマゼン)が入り、日本勢がワンツーフィニッシュ。日本勢の男子BAでのメダル獲得は史上初で、スノーボードでは、木村が前回北京五輪男子ハーフパイプの平野歩夢に次ぐ2人目の五輪王者になった。

 “キラキラネーム”とは真逆と言える丸刈りの風貌に、語り口はおっとりした丁寧語。9番手からの逆転を期した3回目。木村は逆スタンスから背中側に5回転半するスイッチバック1980を決めた直後こそ派手なガッツポーズを繰り出したが、金メダル確定の瞬間はまさかのノーリアクションで、ほほ笑んだだけ。横乗りアスリートのイメージを刷新する、ニュータイプの五輪王者が誕生した。

 「もうなんか(感情が)爆発して、多分何もなかった…もう真っ白になってました。もう本当に金メダル獲れてうれしいです」

 予選3位で迎えた決勝。1回目に正スタンスで背中側に5回転半するバックサイド1980を奇麗に決め89・00点と上々の出だし。2回目は転倒したが「(助走の)ライン取りがちょっと悪かったので、そこだけ修正することを考えた」と冷静だった。逆転を期した最終3回目、自身が持つ最高難度の技に成功。立った瞬間は「勝ったなって思いました」と確信し、頭が真っ白になったと笑った。

 ウインタースポーツとはなじみの薄い岡山県出身。父・友浩さん(53)の影響でスノーボードを始めると、14年ソチ五輪で初採用のスロープスタイルに出場した角野友基を見て、五輪を目指す決意を固めた。3年前、米国に練習に行った際に憧れの人と会う機会があった。「ちょっと話しただけ。全然思いは伝えられなかった」とシャイな性格が邪魔をしたが、「今度は僕が五輪に出て、子供たちがやりたいなと思ってくれればいいなと思う」と決意。見事に実現してみせた。

 24年9月に右脛腓(けいひ)じん帯を損傷。五輪選考が始まったシーズン中は痛みが引かず、25年3月の世界選手権は日本男子でただ一人、予選落ちした。選考でも大きく出遅れたが、4月に在学中だった中京大を一時休学。毎月のように充実した屋外ジャンプ施設がある中国に通う地道な努力が実を結び「今の自分があるのは、本当に家族やトレーナーさんのおかげ。感謝しかないです」とこうべを垂れた。

 総重量506グラムの金メダルは、「首が取れそうなくらい重いです」と冗談交じりに表現した木村。キラッと輝くメダルとともに、その表情もまばゆいほどの光を放った。

 【木村葵来アラカルト】
 ☆生まれとサイズ 2004年(平16)6月30日生まれ、岡山市出身の21歳。倉敷翠松高卒、中京大休学中。身長1メートル66。
 ☆家族 両親と弟で強化選手の悠斗(17)。
 ☆競技歴 小3の時に14年ソチ五輪を見たことをきっかけに本格的に競技を始め、中2でプロ資格を取得。23年1月に初出場したビッグエア(BA)のW杯で3位。23~24年にはBAでW杯種目別制覇を果たした。W杯は未勝利。
 ☆体操 小学生時代は体操に取り組み、体の使い方や空中感覚を磨く。
 ☆名前 父がガンダム好きで「機動戦士ガンダムSEED」の主要登場人物であるキラ・ヤマトから名付けられた。「格好いい登場人物で僕も気に入っている」。
 ☆ご褒美 金メダルのご褒美を問われると「犬を飼いたい。犬種は忘れちゃった。大谷翔平が飼っているやつです」とコーイケルホンディエを飼うことを希望。ちなみに飼った経験はない。

 ▽スノーボード・ビッグエア 急斜面を滑走し、キッカー(ジャンプ台)からジャンプし、空中での技を競う。難度や完成度を採点。決勝は3回演技し、得点の高い2回の合計で順位を決める。スタンス(レギュラー/スイッチ)や回転方向が異なるジャンプが必要。18年平昌五輪から採用。

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