【玉ノ井親方の目】 大関・琴桜が若元春に辛勝 「優勝を意識しているのか動きが悪い。キーマンは豊昇龍」

[ 2024年5月23日 19:31 ]

大相撲夏場所12日目 ( 2024年5月23日 )

<夏場所12日目>若元春(右)をすくい投げで破る琴桜(撮影・沢田 明徳)
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 2敗でトップに立っていた湘南乃海が阿炎に敗れ、賜杯争いは3敗に4人、4敗に7人が並ぶ大混戦の様相を呈してきた。

 その中で番付が一番上の琴桜が、優勝に最も近いポジションにいるように思えるが、相撲内容は心もとない。

 若元春戦も危なかった。当たってすぐに相手得意の左四つを許し、一気に土俵際まで追い込まれた。そこで何とか我慢して、投げの打ち合いに持ち込んだものの、流れは悪かった。結果的に若元春が自分で体勢を崩し、自滅のような形で勝ち星を拾った。
 優勝を意識して体が硬くなっているのか、動きが悪い。若元春が土俵際で消極的にならずに最後まで押し切る覚悟で寄っていたら結果は変わっていただろう。

 琴桜にはまだ豊昇龍戦も残っている。ここからの3日間をどうしのいでいくか、正念場だ。

 一方、ここにきて調子を上げているのが豊昇龍だ。御嶽海戦も当たってすぐに右で上手を引いて胸を合わせ、優勝経験のある元大関に何もさせずにそのまま寄り切った。

 立ち合いで少しずれて当たったり、大の里戦のように右差しを狙ったりと相手に応じて取り口を変えており、そのための細かい動きもしっかりとできている。

 賜杯のゆくえを左右するキーマンになりそうだ。
(元大関・栃東)

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