世界215位の望月慎太郎が錦織以来の決勝逃す「素晴らしい1週間。全く後悔はない」

[ 2023年10月21日 19:17 ]

男子テニス・木下グループ・ジャパン・オープン第6日 ( 2023年10月21日    東京・有明コロシアム )

シングルス準決勝でプレーする望月慎太郎(AP)
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 シングルス準決勝で世界ランキング215位の望月慎太郎(20=IMGアカデミー)がロシア出身で世界50位のアスラン・カラツェフ(30)に3―6、4―6で敗れた。1時間34分でストレート負け。日本勢として18年大会で準優勝した錦織圭(33=ユニクロ)以来の決勝進出を逃した。

 有明コロシアムを埋めた観衆の大歓声に、望月が手を挙げて応じた。4試合連続の格上撃破はならず、快進撃はストップ。日本人として5年ぶり2人目の決勝進出は逃したが「ベストを尽くした結果なので、全く後悔はない。自分のプレーのレベルは最初から最後まで高いレベルを保てていたと思う。ポジティブなことしかない。素晴らしい1週間だった」と充実した表情を浮かべた。
 第1セット、2―3で迎えた自身サーブの第6ゲーム。30―40とブレークポイントを握られた場面で、雨で試合が中断した。開閉式の屋根を閉めて約30分後に再開。直後のポイントを失い、先にブレークを許した。第2セットも第5ゲームで先にブレークを許すと、流れを引き戻すことはできなかった。

 1回戦で世界31位のトマスマルティン・エチェベリ(24=アルゼンチン)を破り、ツアー12試合目で待望の初白星を挙げた。2回戦では世界10位で第1シードのテーラー・フリッツ(25=米国)に競り勝つ大番狂わせを演じ、準々決勝では世界41位のアレクセイ・ポピリン(24=オーストラリア)に勝利。今大会は4大大会、マスターズに次ぐ上から3番目の格付けで、4強入りの価値は大きい。
 19年ウィンブルドン選手権のジュニア部門で優勝。日本男子として4大大会のジュニア部門シングルスを初制覇した。ジュニア時代には現在世界2位で同い年のカルロス・アルカラス(20=スペイン)に勝った実績もある。錦織の後継者として注目を浴びるも、19年11月にプロ転向後は苦戦。ここ数カ月はツアー下部大会チャレンジャーでも早期敗退が続いたが、日本で開催される唯一の男子ツアーで大きな爪痕を残した。

 19年11月のATPツアーファイナルズでは元世界1位のロジャー・フェデラー氏(スイス)のヒッティングパートナーを務め「大きなイベントに出場するチャンスがあれば、とにかくそれに向かっていけ」と助言を受けた。今大会の結果で世界ランキングは130位前後まで上昇する見通し。11月には国内で開催されるチャレンジャーにも出場予定で「チャレンジャーもタフな試合ばかりで、油断できることはない。自分に良い意味で期待しすぎず、1試合1試合に集中したい」と視線を上げた。

 ◇望月 慎太郎(もちづき・しんたろう)2003年(平15)6月2日生まれ、神奈川出身の20歳。兄と2人の兄と姉の影響で3歳からテニスを始める。12歳で「盛田正明テニス・ファンド」の奨学生となり、米IMGアカデミーに留学した。19年ウィンブルドン選手権のジュニア部門で日本男子として初優勝。日本男子として初のジュニア世界ランキング1位に就いた。同年11月にプロ転向。21年3月には史上最年少17歳9カ月でデビス杯の日本代表に選出された。身長1メートル75。

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